結果を発表したエジプト・カイロ大学のR. Boutrus氏

 ゾレドロン酸は、乳癌肺癌多発性骨髄腫などの広範な癌腫の患者において、病的骨折などの骨関連イベント(SRE)を抑制することが示唆されている。泌尿器癌においては、これまで前立腺癌腎癌などの患者においてSRE抑制が示唆されている。今回、エジプト・カイロ大学のM.S.Zaghloul氏らは、骨転移を伴う膀胱癌患者を対象とした無作為化プラセボ比較試験により、ゾレドロン酸がこれらの患者におけるSRE発生を有意に低下させたことを報告した。

 対象は、骨転移を伴う膀胱癌患者40例。対処的放射線療法を施行したのち、無作為にゾレドロン酸(4mg)投与群(20例)、またはプラセボ群(20例)に割り付けた。治療は6カ月間実施し、3カ月、6カ月の時点で骨シンチによる新規病変の診断と、X線撮影、CT、MRIによる確認を実施し、疼痛スコアによる評価を行った。追跡期間は中央値183日(範囲58〜756日)だった。

 その結果、SREの平均発生回数はプラセボ群の2.05±1.0に対して、ゾレドロン酸群では0.9±0.9と有意に低下することが示唆された(p=0.001)。また1回以上のSREを伴った患者率も有意に減少し(90% vs 55%、p=0.011)、初回SRE発生までの期間中央値は、プラセボ群が56日に対して、ゾレドロン酸群では115日と有意に延長した(p=0.0004)。多変量解析では、ゾレドロン酸投与によるSREに対するハザード比は0.413(p=0.008)となった。

 疼痛スコアは、いずれの評価時点でもゾレドロン酸群が優れており、6カ月後のスコアは、プラセボ群平均4.37に対し、ゾレドロン酸群では平均2.95と有意に低下した(p=0.015)。

 ゾレドロン酸の忍容性は良好だが、3例に低カルシウム血症が発生した。また、血清クレアチン上昇が7例に認められたが、プラセボ群(5例)との間に有意差は認められなかった。

 今回の検討では1年後の全生存率も解析されたが、プラセボ群5±4%に対して、ゾレドロン酸群では30±10%と有意に良好であることが示唆された(p=0.02)。

 以上から、Zaghloul氏らは、「ゾレドロン酸はSREを有意に抑制し、疼痛の減少により患者QOLを向上させることが示唆された。生存率の改善については、疼痛、QOLの改善あるいは直接的な抗腫瘍効果が関与すると考えられる」と結論した。

 この結果の発表は、第二演者のR. Boutrus氏が行った。


【訂正】
 本文第2段落に、「無作為にゾレドロン酸(3カ月ごとに4mg)投与群(20例)、またはプラセボ群(20例)に割り付けた」とありましたが、正しくは、「無作為にゾレドロン酸(4mg)投与群(20例)、またはプラセボ群(20例)に割り付けた」でした。訂正します。