米シカゴ大学イリノイ校のH. T. Hatoum氏

 米シカゴ大学イリノイ校のH. T. Hatoum氏らは、米国内における80の医療保険を統合した患者データベースを用いて、骨転移を有する肺癌患者におけるゾレドロン酸の処方状況とそれによる骨関連合併症 (SRE)頻度への影響を検討した結果、ゾレドロン酸の処方とその遵守は、骨合併症の有意な抑制に寄与することを見出した。成果は、米シカゴで5月30日から6月3日まで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。


 対象は、2002年1月から2006年10月の期間に肺癌と診断され1カ所以上の骨転移を有する患者であり、解析に必要なデータが得られた対象は2539例であった。このうちゾレドロン酸処方例が365例(14.39%)、未処方例が2,174例(85.62%)だった。

 解析の結果、ゾレドロン酸処方群は、未処方群に比べて若齢(57.1±9.0歳 vs 59.6±10.4:p<0.0001)であり、Charlsonの合併症指標は低かった(9.0±1.1 vs 9.1±1.3:p<0.01)。

 主要評価項目として検討した追跡可能期間(骨転移の診断から最終処方までの期間)は、ゾレドロン酸処方群では未処方群に比べて有意に85%延長していた(中央値:189日 vs 86日、p<0.05)。また、SRE発生数は有意に27%減少し、すべてのSRE発生リスクも有意に38.0%低下した。

 ゾレドロン酸処方群については、初回処方からを45日以上の治療期間が継続するまでの日数を治療継続性(persistency)と定義し、この日数が90日以下(不良群:178例[48.8%])、91〜180日(中等度群:105例[28.8%])、180日以上(良好群:82例[22.5%])の3群に分けて、さらに検討した結果、良好群は不良群に比べて追跡可能期間が236%延長、全てのSRE発生リスクは46.8%低下した(いずれもp<0.05)。

 また、中等度群は不良群に比べて追跡可能期間が115%延長、すべてのSRE発生リスクは44.8%低下した(いずれもp<0.05)。また同様に、処方回数が3回以上だった群は、2回未満の群に比べて、追跡可能期間の有意な延長およびSRE発生リスクの有意な低下が認められた。

 Hatoum氏は、治療継続性不良群について「初期の3〜4カ月において適切にゾレドロン酸が服用されない可能性がある患者が48.8%存在した」と注意喚起するとともに、「ゾレドロン酸の服用および添付文書の遵守によって、SRE発生が有意に抑制されることが示唆された」と結論した。