ルーマニアInstitutul Oncologic “Prof. Dr. I. Chiricuta” Cluj-NapocaのTudor E. Ciuleanu氏

 進行非小細胞肺癌において、初回化学療法後のペメトレキセドによるメンテナンス療法(維持療法)は、現時点では、無増悪生存期間を有意に延長させることが、多施設第3相臨床試験の結果、明らかになった。特に、非扁平上皮癌においては全生存期間の有意な延長が認められた。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会ASCO)で、ルーマニアInstitutul Oncologic “Prof. Dr. I. Chiricuta” Cluj-NapocaのTudor E. Ciuleanu氏らが報告した。

 試験は、ステージ3B/4の非小細胞肺癌患者を対象に、白金系薬剤による初回化学療法を4サイクル行った後、病状が悪化していない患者663人を、ペメトレキセド投与と対症療法(BSC)を行う群と、プラセボ投与とBSCを行う群のいずれかに、2対1で無作為に割りつけた。ペメトレキセドは3週おきに500mg/m2を各1日目に投与し、病状が進行するまで継続した。

 初回化学療法としては、白金製剤シスプラチンカルボプラチン)と第3世代抗癌剤ドセタキセルゲムシタビンパクリタキセル)の2剤併用が行われた。

 患者の年齢中央値はペメトレキセド群が60.6歳、プラセボ群が60.4歳、女性の占める割合はそれぞれ27.0%、27.5%、身体状態はペメトレキセド群でPS 0が39.9%、PS 1が59.6%、プラセボ群ではPS 0が38.3%、PS 1が61.3%と、2群間に偏りはなかった。

 組織型別では、扁平上皮癌がペメトレキセド群では26.1%、プラセボ群では29.7%、腺癌がそれぞれ50.6%、47.7%、大細胞癌が2.5%、4.1%で、その他が20.9%、18.5%だった。

 この結果、メンテナンス療法を6サイクル以上継続できた患者は、ペメトレキセド群で42.9%、プラセボ群で25.2%、10サイクル以上継続できたのはそれぞれ18.1%、5.9%だった。

 無増悪生存期間中央値(581人)は、ペメトレキセド群が4.04カ月、それに対しプラセボ群では1.97カ月にとどまった。ハザード比は0.599(95%信頼区間:0.49-0.73、p<0.00001)。現時点での生存期間(663人)はペメトレキセド群が13.01カ月、プラセボ群が10.18カ月であり、最終的な結果は2009年に発表される見込み。

 組織型別に見ると、無増悪生存期間中央値は非扁平上皮がん全体ではペメトレキセド群が4.37カ月に対し、プラセボ群では1.84カ月と有意差が見られ、一方、扁平上皮がんではペメトレキセド群が2.43カ月、プラセボ群も2.50カ月とほぼ同じだった。

 奏効率も非扁平上皮癌ではペメトレキセド群で有意に高く、ペメトレキセド群が54.3%、プラセボ群が26.6%だったが(p<0.001)、扁平上皮癌ではそれぞれ33.3%、34.5%だった。

 重篤な副作用はペメトレキセド群で4.3%、プラセボ群は0%で、グレード3/4の有害事象はそれぞれ14.3%、3.6%だった。グレード3/4の貧血はペメトレキセド群で2.7%、プラセボ群で0.5%、好中球減少が2.7%、0%、倦怠感がそれぞれ4.3%、0.5%だった。

 これらの結果からCiuleanu氏らは、「進行非小細胞肺癌において、ペメトレキセドによるメンテナンス療法は、現時点での解析では無増悪生存期間を有意に改善し、忍容性も高いことが示された。特に、非扁平上皮癌においては、全生存期間の有意な延長が認められた」としている。最終的な全生存期間は2009年に明らかになる予定である。