北フランスがんセンター(Centre Oscar Lambret)のAntoine Adenis氏

 イマチニブ投与下に3年間の病勢コントロールが得られていたGIST患者で、当治療の中断が試みられた。その結果、1年時の中断と同様、無増悪生存期間が治療継続群と比べて有意に短縮してしまった。さらに、それらの患者にイマチニブ投与を再開したところ、治療継続群と同様な生存が得られることも確認された。BFR14試験から得られた知見で、米シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会ASCO)のポスターセッションで、北フランスがんセンター(Centre Oscar Lambret)のAntoine Adenis氏が6月3日に報告したもの。

 仏サルコーマグループが実施中のBFR14試験は、切除不能・転移(進行性)消化管間質腫瘍(GIST)患者にイマチニブを投与後、SD(Stable Disease)以上の効果が得られた症例をイマチニブ継続群と中断群に無作為に割り付けた、多施設共同・海外第3相臨床試験である。

 本試験では、効果持続1年目、3年目、5年目でそれぞれ無作為化を行っており、効果持続1年目の中断については、その臨床的意義が既に報告されている(Blay JY et al.: J Clin Oncol 2007)。演者は、まずこの成績を振り返った。

 1年目無作為化・継続群(n=26)における無増悪生存期間中央値は18カ月であったのに対し、1年目無作為化・中断群(n=32)では6.1カ月であった。

 続いて演者は、効果持続3年目の中断について述べた。

 3年目無作為化・継続群(n=25)では、無作為化から1年後の無増悪生存率は92.0%、無増悪生存期間は中央値に達していなかった。一方、3年目無作為化・中断群(n=25)では、各々29.7%、約9カ月であった。

 この結果から、イマチニブで効果が得られている間は、よしんば治療3年目であろうとも、投与を中断すべきでないことが示唆された。イマチニブ投与を継続する限り、多くの症例でSD以上の治療効果が維持され、PD(Progrssive Disease)にはならないことが期待できるだろう。

 今回の発表では、興味深い考察もなされた。

 当試験プロトコールでは、治療中断後に再発・進行をみた場合、イマチニブ400mg/日で投与を再開することと定められていた。

 プロトコールに従って救済的治療が行われた結果、“中断→PD→イマチニブ再開”という経過をたどったすべての症例で、イマチニブに対する反応が得られた。治療継続群の予後と比較しても生存率に有意差はなく(中断群vs継続群 = 24/25 vs 25/25)、イマチニブ投与再開後にPDとなるまでの速度も、継続群がPDに至る速度と変わらなかった。

 以上のことから、イマチニブを中断しても、PD時に治療再開しさえすれば、患者の不利益は回避可能なものと示唆された。

 演者は、「進行GIST症例において、“患者をイマチニブPDにしない”という治療目標が、大変に重要だと考えられる。そのためには、治療期間の長短に関わらず、イマチニブ投与の継続が基本姿勢である。副作用や手術介入により、中断を余儀なくされた場合には、速やかにイマチニブ治療を再開すべきである。それによって、予後にはさほど悪い傾向を生じないで済むだろう」と述べた。

 なお、5年目無作為化の成績については、目下追跡中である。ぜひ、今後の発表にも注目したい。