米MDアンダーソン癌センターのH. M. Kantarjian氏

 イマチニブ抵抗性・不耐容慢性骨髄性白血病CML)患者におけるセカンドラインの治療選択肢として、新規チロシンキナーゼ阻害薬である「ニロチニブ」が注目を集めている。その有効性安全性を評価している海外第2相臨床試験から、最新の中間データが、米シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会ASCO)で報告された。代表演者は米MDアンダーソン癌センターのH. M. Kantarjian氏。6月2日の一般口演セッションで発表された。

 本試験の対象は、イマチニブ抵抗性または不耐容のCML患者321例。内訳は抵抗性例71%、不耐容例29%である。罹病期間の中央値は58カ月、イマチニブ治療期間の中央値は33カ月。72%の患者で600mg/日以上のイマチニブが投与されていた。

 これらの患者において、セカンドライン治療としてのニロチニブ(400mgの1日2回投与)に切り替え、その後の追跡が行われている。今回集計時のニロチニブ投与期間中央値は465日(1−805日)、投与量中央値は788mg/日(151−1112mg/日)であった。

 結果として、CHRは77%、MCyRは58%、CCyRは42%。層別解析におけるMCyRとCCyRは、イマチニブ抵抗性群で56%と39%、イマチニブ不耐容群では63%と50%であった。

 予後については、1年OSが95%、1.5年OSは91%であり、1年PFSは79%、1.5年PFSは67%だった。

 さらに本試験の結果と、イマチニブ抵抗性に対するニロチニブ以外のセカンドライン治療の予後についてヒストリカルな比較を検討したところ、同種造血幹細胞移植(n=10)では、1年OSが80%、1.5年OSが65%であった。ニロチニブのセカンドライン選択肢としての優位性が示されたといえよう。

 今回集計時までに、321例中169例(53%)でニロチニブが中止されていた。中止理由の内訳は、病勢進行23%、薬剤関連副作用15%、その他であった。グレード3/4の有害事象は、次の通りである。

 血液毒性としては、好中球減少30%、血小板減少28%、貧血10%が認められ、これらはニロチニブ投与開始後42〜57日(中央値)で発現していた。非血液学的副作用としては、発疹、頭痛、下痢のそれぞれが2%ずつ認められたほか、疲労が1%に認められた。また、臨床検査値異常としては、リパーゼ上昇16%、低リン酸血症15%、高血糖12%などであった。

 Kantarjian氏は、「本試験結果によって、BCR-ABLに対しイマチニブ以上の選択性と結合力を併せ持つニロチニブの優れた有効性と安全性が示された。イマチニブ抵抗性または不耐容の慢性期CML患者において、ニロチニブはセカンドライン治療の不可欠な選択肢だと考えられる」とした。


【用語】
CHR:血液学的完全寛解、MCyR:細胞遺伝学的大寛解、CCyR:細胞遺伝学的完全寛解、OS:全生存、PFS:無増悪生存