ドイツCharite University Medical SchoolのPeter Neuhaus氏

 初期膵臓癌術後補助療法としてゲムシタビンを投与すると全生存率(OS)が観察群の2倍以上になることが、多施設大規模フェーズ3試験CONKO-001の結果、明らかとなった。成果は5月30日から6月3日に開催された米国臨床腫瘍学会ASCO)で、ドイツCharite University Medical SchoolのPeter Neuhaus氏が発表した。

 ゲムシタビンは進行膵癌標準療法とされているが、CONKO-001はより早期の膵癌で効果を確かめようというもの。2005年のASCOで、CONKO-001の術後補助療法としての中間解析結果が発表され、無病生存期間の改善効果が示されたため、研究グループはフォローアップを継続し、全生存率を改善できるかを確認しようとした。早期膵癌の治療方針を大きく変えることになりそうだ。

 CONKO-001試験は、368人の患者を、術後補助療法としてゲムシタビンの投与を受ける群と特定の治療を行わない観察群に分けて評価したもの。すべての患者は腫瘍の完全摘出を受けており、肉眼的に遺残腫瘍はない状態だった。膵癌は発見されるのが遅く、約15%から20%が初期に発見され、手術が可能とされている。ゲムシタビンは、4週おきに1日目と8日目、15日目に1000mg/m2を投与された。

 試験の結果、ゲムシタビン投与群の全生存期間中央値は22.8カ月(95%信頼区間 18.5-27.2)、観察群は20.2カ月(同 17.7-22.8)とゲムシタビン投与群の方が長かった。ゲムシタビン投与群の3年時点、5年時点での無病生存率はそれぞれ23.5%、16.5%だったのに対して、観察群は7.5%と5.5%だった。全生存率はゲムシタビン投与群では3年時点で36.5%、5年時点で21.0%だったのに対して、観察群は3年時点で19.5%、5年時点で9.0%だった。

 患者はゲムシダビンの投与に十分に耐えることができ、白血球数血小板数がゲムシタビン群で低下していた以外、両群間に大きな副作用の差はなかった。

 現在、手術切除が成功した患者に対し、ゲムシタビンと分子標的薬エルロチニブまたはソラフェニブを併用する試験が行われている。