独マンハイム大学病院のUlrich Ronellenfitsch氏

 GIST残存病変外科切除をするならば、イマチニブの効果が持続している間がよく、生存期間の延長が期待できる。逆に、イマチニブの効果が減弱し、進行をみてから外科切除を考慮したのでは遅すぎる。そうした研究結果が報告された。米シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会ASCO)のポスターセッションで、独マンハイム大学病院のUlrich Ronellenfitsch氏が6月1日に発表した。

 進行性消化管間質腫瘍GIST)の再発・転移に際して、イマチニブを用いて治療を行い、さらに外科切除を考慮する症例が存在する。その際、手術のタイミングが予後に影響するのか、しないのか。この疑問は外科医を悩ませ、諸家による断片的研究が重ねられてきた。

 演者らは、今回ある程度まとまった症例数でのレトロスペクティブな解析を行った。マンハイム大学病院における2002年7月から2007年10月までの該当症例(n=80)が、本解析に供された。

 症例のうち、イマチニブにて病勢コントロールが得られている間に手術が施行された(奏効下手術群)のは49例(平均年齢53歳)、イマチニブの効果が減弱し、転移・再発病巣の増大をみてから手術が施行された(進行下手術群)のは31例(平均年齢54歳)であった。

 奏効下手術群におけるイマチニブ投与期間は、中央値で15カ月、進行下手術群は同21カ月である。手術合併症の頻度は両群間で大きな差異はなく、前者で18.4%、後者は12.9%で、ともに許容範囲と考えられた。

 さて結果だが、奏効下手術群では、進行下手術群に比して無増悪生存期間PFS:Progression Free Survival)が明らかに長く、疾患非特異的死亡をカウントしない全生存率DSS:Disease Specific Survival)についても優れていた。

 具体的には、奏効下手術群と進行下手術群の比較において、2年PFSが64.4%対9.7%、2年DSSは97.6%対69.5%、5年DSSは82.9%対67.6%と、いずれにおいても奏効下手術群の方が予後良好であった。

 なお本解析では、病勢コントロールが得られている間の「非手術・薬物療法(イマチニブ)温存群」が設けられておらず、それとの比較から、奏効下手術の臨床的意義や適応を考察することができていない。今後、プロスペクティブなランダム化試験を計画するなどして、さらなる検討を加える必要があるだろう。

 いずれにせよ、病勢進行をみた後の外科切除は、患者予後に与える利益が少ないようである。やはり、イマチニブでコントロールを行い、病勢を進行させない努力が求められる。