仏ベルゴーニュ研究所のEberhard Stoeckle氏

 仏サルコーマグループが実施・継続中のBFR14試験で、イマチニブ治療下の進行性GIST患者に対する外科的介入の意義をレトロスペクティブに検討した結果、イマチニブによる病勢コントロール下における完全切除は、無増悪生存期間を有意に延長させる可能性があることが示された。米シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会ASCO)のポスターセッションで、仏ベルゴーニュ研究所のEberhard Stoeckle氏が6月1日に報告したもの。

 BFR14試験は、切除不能転移(進行性)消化管間質腫瘍(GIST)患者にイマチニブ(グリベック)投与後、SD以上の効果が得られた症例をイマチニブ継続群と投与中断群に無作為化した、多施設共同・海外第3相臨床試験である。

 今回、本対象中38例における無作為化前イマチニブ治療下での外科的介入の意義を、レトロスペクティブに検討した。38例の平均年齢は57±14.5歳。原発巣は小腸12例、胃9例、腸間膜6例、大腸5例、骨盤3例、その他2例である。

 これらの患者に対して、イマチニブ治療下での残存病変切除が行われた。イマチニブ投与期間は中央値で8.1カ月(0.6〜24.5カ月)。38例中28例では病勢コントロールPR+SD)が得られており、9例では進行が認められていた(残り1例はデータ欠落)。なお、手術時のPS(ECOG)は0〜1が大半を占めていた。

 結果として、全患者の73%でR0〜R1(病理学的または肉眼的完全切除)の手術成績が得られた。病勢コントロールが得られている患者では75%、進行が認められた患者では67%だった。

 病勢進行を理由に手術を行った9例では1年無増悪生存率が22%と低く、外科的介入の意義を見出せなかったが、病勢コントロール下に完全切除を成し得た21例では、1年無増悪生存率が94%と高く、同試験内で手術を行わなかった245例の予後(1年無増悪生存率70%)と比較しても、有意に優れる結果であった(p=0.028)。

 以上のことから、イマチニブ治療中の残存病変については、「イマチニブで病勢コントロールが得られている中での完全切除」によって、無増悪生存期間の延長が期待できるものと考えられた。

 なお、BFR14試験では、イマチニブ継続群と中断群の比較検討がなされている。結果として、イマチニブで効果が得られた進行性GIST患者における投与中断は、急激な病勢進行をもたらし、投与継続群に比べて無増悪生存期間が有意に短縮した。また、この投与中断は、残存病変の有無にかかわらず病勢を進行させていたことが分かっている。


【用語解説】
PR:部分寛解(RECIST基準)、SD:不変(RECIST基準)