英Glasgow大学のJames Cassidy氏

 切除不能転移性結腸直腸癌に対して、ベバシズマブと標準的な化学療法を併用したNO16966試験First BEAT試験サブ解析で、投与後、肝切除が可能となった患者では2年生存率が90%にもなることが明らかになった。成果は5月30日から米シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会ASCO)で、英Glasgow大学のJames Cassidy氏らが報告した。

 First BEAT試験は、切除不能転移性結腸直腸癌患者1965人を対象に、標準的化学療法にベバシズマブの追加投与が行われた。解析ができた1914人のうち、肝切除が可能だったのは7.6%(145人)で、遺残がない治癒切除(R0)に達したのは6.0%(114人)だった。

 また化学療法としてオキサリプラチンを含んだ治療を受けた患者(946人)の場合、肝切除率は10.5%、R0切除率も8.0%と高く、イリノテカンを含む治療を受けた患者(662人)ではそれぞれ6.5%、5.1%だった。また、肝転移のみの患者704人でみると、肝切除は15.2%(107人)、R0切除は12.1%(85人)だった。

 2年生存率は、肝切除群(145人)では86%、R0切除群(114人)では89%と高かった。これに対し切除を行わなかった患者では47%だった。

 一方、NO16966試験は、切除不能転移性結腸直腸癌患者1401人に、ファーストライン治療として、FOLFOX療法5-FU/LV+オキサリプラチン)あるいはXELOX療法カペシタビンオキサリプラチン)に、ベバシズマブを追加投与し、FOLFOX/XELOX+プラセボ、FOLFOX/XELOX+ベバシズマブという2×2のデザインで実施された。

 NO16966試験で、切除可能となったのは、ベバシズマブ群では59人、プラセボ群では43人であり、R0切除に達したのは、ベバシズマブ群は44人(6.3%)、プラセボ群は34人(4.9%)だった。また、肝外転移のない患者のR0切除率は、ベバシズマブ群が12.3%、プラセボ群が11.6%だが、有意差はなかった。

 R0切除を行った患者の2年生存率は、ベバシズマブ群が90.9%、プラセボ群が82.3%と高いが、切除を行わなかった患者ではそれぞれ39.6%、37.9%にとどまった。

 これらの結果から、「手術不能の転移性結腸直腸癌であっても、ベバシズマブと標準化学療法を受けた患者では、根治的な転移巣切除を繰り返し行うことが可能である」とし、安全性についても、根治切除によって創傷治癒合併症や出血を増加させることはなく、「ベバシズマブと化学療法の併用は安全なアプローチである」とした。