ベルギーGasthuisberg大学付属病院のSabine Tejpar氏

 転移性結腸直腸癌において、抗EGFR抗体セツキシマブの増量を検討したEVEREST試験で、KRAS遺伝子に変異がない場合(野生型)は増量することで奏効率が上がるが、KRAS遺伝子に変異がある場合は増量しても有効性は高まらないことが確認された。成果は5月30日から米シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会ASCO)で、ベルギーGasthuisberg大学付属病院のSabine Tejpar氏らが報告した。

 EVEREST試験は、転移性結腸直腸癌患者を対象に、セツキシマブ(初回用量400mg/m2の後、週に250mg/m2)とイリノテカン(2週おきに180mg/m2)を投与した後、22日目に皮膚症状皮疹)がグレード0/1だった患者を、標準量のセツキシマブを投与する群(週に250mg/m2)と増量する群(500mg/m2に到達するまで2週間おきに50mg/m2ずつ増量)に無作為に分けた。皮膚症状がグレード2/3の患者は非無作為化群として、標準量のセツキシマブ(週に250mg/m2)を投与した。

 この結果、奏効率は標準量群(45人)が16%、それに対し増量群(44人)は30%に上った。非無作為化群(62人)は25%だった。病勢コントロール率DCR)はそれぞれ58%、71%、62%だった。

 次に、KRAS遺伝子で分けたところ、野生型では標準量群(23人)の奏効率は30.4%に対し、増量群(31人)では41.9%だった。具体的には、部分奏効がそれぞれ30.4%、41.9%であり、安定状態は39.1%、41.9%に見られた。一方、変異型は、標準量群(20人)も増量群(12人)も奏効率は0%となったが、安定状態がそれぞれ45.0%、33.3%に認められた。

 また無増悪生存期間は野生型が173日(95%信頼区間 141.3-204.7)、変異型が83日(同 75.9-90.2)で、標準量群、増量群、非無作為化群のいずれも野生型のほうが無増悪生存期間は長いことが示された。

 また、皮膚症状とKRAS遺伝子との関連性をみたところ、野生型では皮膚症状のグレードが高いほど無増悪生存期間が長い傾向は見られたが有意差はなく、Tejpar氏は「皮膚症状とKRAS遺伝子は独立した予測因子である」とした。