写真1 サロゲートマーカーとしての尿中NTxの意義を検討したLipton氏

 骨転移癌患者の尿中儀織灰蕁璽殴鷁誘 N-テロペプチド(NTx)値は、骨関連事象(Skeleta-related event:SRE)や病勢進行、および死亡と関連することが既に知られていた。そこでカナダMS Hershey Medical CenterのA.Lipton氏(写真)らは、ゾレドロン酸が投与された骨転移癌患者を対象に、サロゲートマーカーとしての尿中NTxの意義を検討し、その結果を6月5日、第43回米国臨床腫瘍学会のポスター会場で発表した。

 演者らは、ゾレドロン酸が長期投与された骨転移癌患者897例を対象に、治療開始後早期における尿中NTx値の変動と、予後との関連性をレトロスペクティブに検討した。

 対象は、骨転移を認める乳癌患者379例、前立腺癌患者314例、および非小細胞肺癌などの固形癌204例だった。各々で、試験開始前と開始3カ月後の尿中NTx値が測定されると共に、開始から24カ月間のゾレドロン酸投与が行われた。ゾレドロン酸は3〜4週間毎に4mg、または8mgが投与された。

 試験開始前の尿中NTx値が正常範囲(64nmol/mmol Cr未満)を超えていた症例は、各癌種において各々58%(乳癌)、61.5%(前立腺癌)、42.6%(肺癌など)だった。これらの内、試験開始3カ月後に同値の正常化をみた症例を“EN群(Elevated→Normal)”、正常値以上で推移した症例を“EE群(Elevated→Elevated)”と定義した。各癌種における正常化率は81%(乳癌)、70%(前立腺癌)、および81%(肺癌など)だった。

 両群における初回SREまでの期間と死亡例数を集計し、ハザード解析に供した結果、3癌種ともEE群に比して、EN群で著明なリスクの低下が認められた。

 EN群における初回SREの相対リスク低下は、乳癌49%(p=0.002)、前立腺癌38%(p=0.041)、肺癌など39%(p=0.28)だった。同じく死亡の相対リスク低下は、乳癌48%(p=0.002)、前立腺癌59%(p<0.0001)、および肺癌など57%(p=0.012)だった。

 以上の結果から、ゾレドロン酸投与開始から3カ月目の尿中NTx値変動は、SREリスクのみならず、予後を推定する上で重要なサロゲートマーカーになりうるものと示唆された。