写真1 高用量イマチニブの有用性を解析したGlabbeke氏

 切除不能または転移性GIST患者を対象に、イマチニブ400mg/日〜800mg/日を投与した2つの大規模試験が存在する。GIST Mata-analysis Group(Meta GIST)のMM Van Glabbeke氏(写真)らは、その2つの試験をメタ解析に供して、高用量イマチニブの利点を探った。その結果、高用量イマチニブは無増悪生存率の改善に寄与することが示された。本解析結果は6月5日、第43回米国臨床腫瘍学会で発表された。

 メタ解析に供されたのは、欧州で行われたEORTC/ISG/AGITG62005試験(EU-AUS)の946例と、米国で行われたSWOG/CALGB/NCI-C/ECOG/ICAS S0033試験(US-CDN)の694例の合計1640例である。

 いずれの試験も、KIT(CD117)陽性・切除不能または転移性GIST患者を対象とした無作為化試験であり、イマチニブ用量別(400mg/日と800mg/日のクロスオーバー法)にて長期の追跡がなされていた。EU-AUSの追跡期間中央値は42カ月、US-CDNの追跡期間中央値は55カ月だった。

 結果として、全例対象のOS評価では、400mg群の全生存期間中央値が49カ月、3年全生存率が60%だったのに対して、800mg群ではそれぞれ49カ月、61%であり、群間に有意差は認められなかった(p=0.97)。

 一方、全例対象のPFS評価では、400mg群の19カ月、30%に対して、800mg群では23カ月、34%であり、高用量イマチニブにてPFSの有意な延長が認められた(p=0.04)。ハザード解析によれば、病勢進行の相対リスクは高用量にて有意に11%低下していた。
 
 なお、本メタ解析の対象1640例中には、予後不良とされるkit exon9変異を有する患者が合計91例存在していた。これらについても同様にPFSが評価された結果、400mg群では6カ月、5%、800mg群では19カ月、17%(p=0.017)であり、高用量イマチニブにて病勢進行の相対リスクが有意に42%低下していた。

 これらの結果から演者らは、以下のように考察した。「切除不能または転移性GIST患者に対する高用量イマチニブは、無増悪生存期間の延長に寄与した。kit exon9変異例においても同様の結果が得られたことから、高用量イマチニブにて治療を開始すれば、PFSの延長に期待が持てるだろう。しかし、それが生命予後の改善(Overall Suvival)にいかなる影響をもたらすのかは、今後の更なる検討が必要と思われた」。