写真1 イマチニブが、消化管間質腫瘍(GIST)の術後補助療法として有用であることを報告したDeMatteo氏

 イマチニブが、消化管間質腫瘍(GIST)の術後補助療法として有用であることが、米国の大規模無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験である「Z9001試験」から明らかにされた。American College of Surgeons Oncology Group(ACOSOG)を代表してR.DeMatteo氏(写真)が6月4日、第43回米国臨床腫瘍学会で報告した。

 本試験では、腫瘤径3cm以上でKIT(CD117)陽性の初発GIST患者が対象とされた。患者は、腫瘍の完全切除後70日以内に登録され、イマチニブ400mg/日投与群(n=325)もしくはプラセボ群(n=319)に無作為化された後、手術から84日以内に術後補助療法が開始された。イマチニブ群およびプラセボ群における腫瘤径別の患者内訳は、3〜6cmの症例が40%/36%、6〜10cmの症例が34%/37%、10cm以上の症例が26%/27%だった。

 術後補助療法は1年間継続され、その期間内および補助療法終了後の再発が、CTまたはMRIで定期的に追跡された。なお、本試験のPrimary Endpointは無再発生存期間(RFS;Recurrence-Free Survival)、Secondary Endpointは全生存率(OS;Overall Survival)とされた。

 結果として、RFSはイマチニブ群で有意に延長しており(p<0.001)、再発リスクはプラセボ群に比べて67%低下していた。

 本試験は2002年6月に登録開始され、2007年4月に上記の解析結果が得られたことを受け、Data Management Committeeが有効中止の判断を下した。本試験ではPrimary EndpointをRFSとして試験自体有効中止となったため、イマチニブを用いたAdjuvant療法による生命予後の改善(OS)については、その効果は現在のところ確認されていない。

 ちなみに、1年間の術後補助療法を完了できた患者は、イマチニブ群にて67%、プラセボ群にて71%だった。脱落理由は、イマチニブ群にて副作用が多く、プラセボ群では再発が多かった。

 本試験では、腫瘤径に基づく層別解析もあわせて行われた。

 腫瘤径3〜6cmのサブグループでは、イマチニブ群にてRFSの改善傾向を認めるが、有意ではなかった(p=0.15)。一方、同径6〜10cmのサブグループでは、イマチニブ群にてRFSの有意な延長を認め(p=0.01)、再発の相対リスクは63%低下していた。同径10cm以上のサブグループでも、イマチニブ群にてRFSの有意な延長を認め(p<0.001)、再発の相対リスクは実に81%低下していた。


【訂正】
6/15に以下の点を訂正しました。
・本文の2段落目に「イマチニブ400mg/日投与群(n=249)もしくはプラセボ群(n=259)に無作為化された」とありましたが、正しくは、「イマチニブ400mg/日投与群(n=325)もしくはプラセボ群(n=319)に無作為化された」です。
・本文の3段落目に「OS;Overall Suvival」とありましたが、正しくは「OS;Overall Survival」です。