写真1 予防的全脳照射のルーチン化に言及したSlotman氏

 進展型小細胞肺癌において、予防的全脳照射は、脳転移のリスクを73%減少させ、1年生存率を改善させることが、EORTC試験で明らかになった。オランダVU University Medical CenterのBen Slotman氏(写真)が6月4日、第43回米国臨床腫瘍学会のプレナリーセッションで発表した。

 これまで限局型小細胞肺癌においては、予防的全脳照射(PCI,;prophylactic cranial irradiation)が患者の生存を延長させることは報告されていたが、脳転移を生じやすい進展型小細胞肺癌において確認されたのは初めて。

 化学療法の奏効例を対象に、化学療法とPCIを併用する群(143人)と化学療法単独群(143人)に無作為に分けて比較した。追跡期間はPCI群で170日、化学療法単独群で156日だった。

 この結果、症候性脳転移は1年目には化学療法単独群では40.4%であったのに対し、PCI群では14.6%と少なかった。ハザード比は0.27(95%信頼区間;0.16-0.44、p<0.001)だった。また1年後の生存率がPCI群では27.1%、化学療法単独群では13.3%だった。

 有害事象は、PCI群では軽度の悪心、嘔吐、頭痛が3割に認められたが、グレード3以上の有害事象(重度の頭痛、中枢神経系障害)は3人(2.2%)だった。

 このことから、Slotman氏は、「化学療法に奏効する進展型小細胞肺癌患者では、PCIをルーチンに行う方がよいだろう」と述べた。