写真1 亜麻の種の補給の安全性と有効性が確認できたとGeorge氏

 亜麻の種(flaxseed)を補給した食事に、前立腺癌の増殖速度を抑える効果が確認された。ランダム化比較試験の1次分析から明らかになったもので、米国Duke大学医学部のStephen L. George氏(写真)が6月3日、第43回米国臨床腫瘍学会の一般口演で発表した。

 George氏らはこれまで、前立腺癌を発現するマウスモデルを用いた実験で、flaxseedを5%混ぜた食事を与えると、flaxseedを与えなかったマウスに比べて癌の大きさを2分の1に抑えられたことを報告している。今回のランダム化比較試験は、この結果を受けて行われたもので、人での安全性と有効性を評価することが目的だった。

 対象は、予定されている前立腺切除術まで21日以上の時間がある前立腺癌患者161人。試験では、コントロール群(41人、通常の食事)、flaxseed補給群(40人、30g/日補給) 、脂肪制限食群(40人、総エネルギー20%未満の食事) 、flaxseed補給+脂肪制限食群(40人)に無作為に割り付けられた。

 データは93%の対象者から得ており、試験期間は30日間だった。

 1次分析では、MIB-1陽性細胞数/総核数でみた腫瘍の増殖率(中央値)で評価。その結果、コントロール群3.23、flaxseed補給群1.66、脂肪制限食群2.56、flaxseed補給+脂肪制限食群1.50となり、特にflaxseed補給群、flaxseed補給+脂肪制限食群で有意な増殖抑制効果を認めた。なお、有害事象はほとんどなく各群で違いがなかったことから、「亜麻の種の補給の安全性は確認できた」としている。

 flaxseed補給が前立腺癌の増殖速度を抑える機序については、各種の検査値を分析したが、前立腺癌におけるアポトーシス、男性ホルモン代謝、IGF-1/GFBP-3などの指標は、flaxseed補給や脂肪制限食群でもコントロール群と変わらなかった。また、血清コレステロールは、脂肪制限食群においてのみ有意に低下していた。

 この点についてGeorge氏は、亜麻の種の補給は直接的に前立腺癌の増殖に働くのではなく、間接的に作用しているのではないかと考察した。

 今回の結果からGeorge氏は、亜麻の種の補給の安全性と有効性が確認できたとし、さらなる臨床試験を重ねる意向を示した。