新しいマルチキナーゼ阻害剤で血管新生阻害作用を持つパゾパニブ(GW786034)が転移性腎細胞癌に有効である可能性が示された。フェーズ2臨床試験の中間解析の結果、明らかとなった。米国Baylor-Sammons/Texas Oncology PAのT.E.Hutson氏が6月2日、第43回米国臨床腫瘍学会で発表した。

 パゾパニブはVEGF-R1、VEGF-R2、VEGF-R3、PDGFR-α/β、c-kitのチロシンキナーゼを阻害する活性を持った化合物だ。

 発表によるとフェーズ2臨床試験は、全身療法を受けたことがないか前治療を1つ(サイトカイン療法、ベバシズマブを含む治療法など)だけ受けたことのある進行性または転移性の腎細胞がん患者225人を対象に実施されている。全ての患者は最初の12週間、毎日1回、800mgのパゾパニブを経口投与された。そして12週時点でRECIST評価により完全寛解(CR)、部分寛解(PR)であった患者はパゾパニブを継続し、安定状態(SD)の患者は無作為にパゾパニブの投与を継続する群とプラセボを投与する群に分けて評価した。

 しかし、最初の60人の患者を評価する中間評価の段階で、38%に当たる23人がPRを達成し、42%に当たる25人がSDとなったために、独立したデータモニタリング委員会がプラセボへの無作為化割付けの中止を勧告、その結果、すべての患者がパゾパニブを継続して受ける試験となっている。

 今回発表されたのは、225人の患者のパゾパニブ投与12週時点での解析結果。奏効率は27%で、SDとなった患者の割合が46%となったため、両方を合わせた疾病制御率は実に73%に上った。

 頻繁に見られた有害事象は下痢、疲労感、髪の毛の変色、吐き気、高血圧だった。手足症候群(10%)、発疹(12%)、出血(9%)、粘膜炎(5%)の発症頻度は低かった。