写真1 「日本人に合った薬かもしれない」と話す一瀬氏

 非小細胞肺癌(NSCLC)を対象にした葉酸代謝拮抗剤であるペメトレキセドのわが国におけるフェーズ2試験の結果から、セカンドライン、サードラインの治療法としては、ペメトレキセドを500mg/m2を投与する方法が良いことが明らかとなった。九州大学医学部臨床教授の一瀬幸人氏(写真)らが6月3日、第43回米国臨床腫瘍学会で発表した。

 わが国で行われたビタミンを十分に補給して行ったペメトレキセドのフェーズ1臨床試験で、1000mg/m2が推奨用量とされたことから、海外で利用されている500mg/m2を投与する方法と比較したのが今回発表されたフェーズ2臨床試験。どちらの方法でも、適切な副作用の範囲で同等の効果が得られた。また、抗腫瘍効果は欧米の試験結果よりも良好だった。

 フェーズ2臨床試験は、1つか2つの化学療法を既に受けたことのある3期/4期のNSCLC患者を500mg/m2を投与する群と1000mg/m2を投与する群に無作為に割り付けて行われた。どちらの群もペメトレキセドは21日サイクルの1日目に投与された。

 2004年10月から2006年3月まで28施設で244人の患者が登録され、226人が無作為に割り付けられ、216人が効果の判定が可能だった。平均投与サイクル数はどちらの群も3サイクルだった。500mg/m2投与群の11%、1000mg/m2投与群の6%が少なくとも10サイクルを完了した。

 RECIST評価による全体の奏効率は、500mg/m2投与群が18.5%、1000mg/m2投与群が14.8%で、部分寛解(PR)と安定状態(SD)を合わせた疾患制御率は、500mg/m2投与群が55.6%、1000mg/m2投与群が46.3%だった。平均無増悪生存期間は、500mg/m2投与群が3.0カ月、1000mg/m2投与群が2.4カ月で、平均反応期間は、500mg/m2投与群が4.7カ月、1000mg/m2投与群が3.8カ月だった。

 1%以上の頻度で見られたグレード4の有害事象は、好中球減少症(500mg/m2投与群が3.5%、1000mg/m2投与群が3.6%)とリンパ球減少(500mg/m2投与群が2.6%、1000mg/m2投与群が1.8%)だった。グレード3/4の有害事象のうち、500mg/m2投与群には、吐き気、嘔吐がなかったのに対して、1000mg/m2投与群では吐き気が2.7%、嘔吐が1.8%あった。

 これらの結果から、研究グループはわが国におけるNSCLCを対象にしたペメトレキセドの用量は500mg/m2が妥当だと結論している。また抗腫瘍効果は欧米における試験結果よりも高いことから、一瀬氏は「ペメトレキセドは日本人に合った薬かもしれない」と語った。