写真1 ゾレドロン酸によるSRE抑制効果を解析したHind T. Hatoum氏

 ゾレドロン酸の骨関連事象抑制効果は、投与期間と投与頻度に依存する−−。米国イリノイ大学Hind T. Hatoum氏(写真)らは、骨転移患者のデータベースを解析し、改めてそのことを明らかにした。ゾレドロン酸を投与することで、未投与群よりも月間SRE発生率が33%低下したほか、幾つかの興味深い知見も得られた。この結果は6月2日、第43回米国臨床腫瘍学会で発表された。

 演者らのグループは、既に集積済のデータベースから、目的とする患者群を抽出し、レトロスペクティブに解析を行うことで本知見を得た。

 対象としたデータベースは「PharMetrics integrated claims database」。米国内の約80施設から、5500万例以上の治療結果を含むデータベースである。

 解析は、骨転移を有する乳がん、前立腺がん、および肺がんの患者(約1万3000例)のうち観察期間中に1つ以上の骨関連事象(SRE;Skeleta-related event)を生じた患者(4546例)を対象として実施された。

 それらを「ビスホスホネート未投与群」と「ゾレドロン酸投与群」に分類したところ、前者は3038例(平均年齢58.2歳)、後者は1508例(平均年齢55.1歳)であった。がん種の割合は乳がん45%、前立腺がん34%、肺がん24%であった。

 なお、SREは病的骨折、脊椎圧迫、骨病変に対する放射線治療、もしくは外科的治療として定義した。

 統計解析の結果、未投与群の月間SRE発生率は0.43±0.4(回)であったのに対し、ゾレドロン酸投与群では0.29±0.3(回)と有意に低値を示しており、ゾレドロン酸によってSRE発生率が33%抑制されていた(p<0.001)。

 また、ゾレドロン酸投与群において、SRE発生率を左右する因子の解析が行われた結果、「投与期間」と「投与頻度」が重要な要素として浮上した。

 月間SRE発生率は投与期間に依存して低下し、非投与群の0.43回に対して、投与期間(3-6カ月)のグループでは0.24回、1年以上のグループでは0.11回とさらに低下する傾向が認められた。

 投与頻度に関しては、最初の半年間に3〜4週間隔の投与が遵守されたグループで、同発生率が0.16回と低値を示した。これは、投与スケジュールが不徹底なグループが0.31回であったことと比べて、丁度2分の1の発生率だった。
 
 以上の解析結果から、演者は次のようにコメントした。「ゾレドロン酸によるSRE抑制効果は、本解析からも明らかに示された。その恩恵をより良く患者へ提供するためには、投与スケジュールの徹底と、治療の継続が大切だと思われる」。