手術不能肝細胞癌にマルチキナーゼ阻害剤であるスニチニブが有効である可能性が示された。単剤治療としての可能性を調べた欧州とアジアで最初のオープンラベルフェーズ2臨床試験の結果、明らかとなった。フランスBeaujon University HospitalのSJ Faivre氏が6月2日、第43回米国臨床腫瘍学会で発表した。

 被験者は1日50mgのスニチニブを4週間連続で、6週置きに投薬された。主要評価ポイントはRECIST評価による全体の奏効率。その他の評価項目として、安全性、PK値、抗腫瘍効果(CTスキャンによる腫瘍密度、腫瘍壊死体積測定、腫瘍内血液還流)があった。

 試験は、37人の患者(平均年齢61歳、男性が92%、アジア地域の患者は16人)を対象に行われた。平均投与期間は51日(6日から223日)だった。1サイクルの投与だった患者は、37.8%に当たる14人だったが、5サイクル以上投与を受けた患者も12人(32.4%)いた。

 奏効率は部分寛解(PR)が1人(2.7%)、3カ月以上の安定状態(SD)となった患者は13人(35.1%)だった。試験期間中に腫瘍の進行した証拠が認められない患者は18人いた。また、平均腫瘍増殖抑制期間は21週で、平均の全生存期間は45週だった。さらに、腫瘍密度の減少が68%の患者で認められ、腫瘍壊死体積測定では、50%未満の壊死が見られた患者は25%、50%以上の壊死が見られた患者は46%だった。

 有害事象は、グレード3/4のうち、血小板減少症が35%、好中球減少症が24%、中枢神経症状が24%、無力性が22%、出血が14%だった。グレード1/2の皮膚毒性は頻繁に報告された。被験者の43%が用量を低減することを余儀なくされた。4人の患者は腹水、浮腫などでグレード5の有害事象を経験した。

 研究グループは、スニチニブの安全性プロフィールは受け入れ可能なもので、有害事象は一般的に一時的なもので管理可能だとしている。