写真1 IRIS療法の中間解析を発表した陳勁松氏

 塩酸イリノテカンと5FU系抗癌剤のS-1を併用投与するIRIS療法が進行胃癌に有効で、患者は十分に治療に耐えられることが、わが国で行われた多施設無作為化フェーズ3臨床試験の中間解析で明らかとなった。癌研有明病院の陳勁松氏(写真)が6月2日、第43回米国臨床腫瘍学会で発表した。

 イリノテカンとS-1の併用が進行胃癌に有効であることは、すでにフェーズ1/2試験で報告されていたが、フェーズ3臨床試験でファーストラインの治療薬としての効果が実証できる可能性が高まったことになる。

 フェーズ3臨床試験は、毎日80mg/m2のS-1を1日目から28日目まで経口投与し14日間休薬するサイクルで投与を行うA群と、毎日80mg/m2のS-1を1日目から21日目まで経口投与、1日目と15日目にイリノテカン80mg/m2の静脈投与を行って14日間休薬するサイクルで投与を行うB群に分けて実施された。

 2004年6月から2005年11月まで、全体で326人の患者が登録され、そのうち162例がA群に、164例がB群に無作為に割り付けられた。投薬は、病状の進行が観察されるまで継続された。臨床試験の主要評価ポイントは、全生存率に設定されている。A群とB群の患者の間に年齢、全身状態などに差はなかった。

 今回発表された中間解析では、全体で187人がRECIST評価による抗腫瘍効果の判定が行われた(A群が93人、B群が94人)。奏効率はA群が26.9%(部分寛解が25例)であったのに対して、B群は41.5%(部分寛解が39例)と統計学的に有意にB群の方が高かった。グレード3もしくは4の有害事象の頻度は、好中球減少症がA群11%、B群27%、下痢がA群6%、B群16%、無食欲がA群10%、B群16%、悪心がA群4%、B群7%、嘔吐がA群1%、B群3%などだった。

 両群を合わせた平均生存期間は357日間で、現在もフォローアップが継続されている。最終的な解析は、2007年10月に実施する予定だ。