乳癌治療後の認知機能低下に配慮した治療を訴えるPatricia A. Ganz氏

 「chemobrain(化学療法後の認知機能障害)」は存在するのか−−。化学療法と認知機能の低下との関連性は明らかではないが、乳癌患者では化学療法後に、思考力や記憶力の低下を感じている患者は少なくなく、こうした治療後遺症を考慮した治療法の検討が必要であると、米国UCLA Schools of Medicine and Public HealthのPatricia A. Ganz氏(写真)が6月1日、第43回米国臨床腫瘍学会の教育セッションで言及した。

 化学療法を受けた患者の2〜3割で、化学療法後に、思考力や記憶力、集中力の低下などの認知機能障害が見られ、およそ1〜2年間続くといわれている。

 乳癌の化学療法後には、認知機能障害のほか、持続的な疲労感や睡眠障害、骨格筋の痛みなども共通して見られる。特に疲労感は治療を受けた患者の96%に見られ、乳癌患者の3割は1〜5年間、6割以上では疲労感が5〜10年も持続するという。

 Ganz氏は今後、乳癌治療を受ける患者が増加すること、長期生存者が増える中で患者のQOLに影響を及ぼすこれらの症状を考慮した治療および予防法を検討していく必要があるだろうと訴えた。