Luis Costa氏

 血清1型コラーゲンC末端テロペプチドICTP)は骨転移マーカーとして確立されたように思えるが、予後推定に役立つか否かは、意見が分かれている。ポルトガル・聖マリア病院のLuis Costa氏らは、「カットオフ値を6.2ng/mLに設定することで、ICTPが骨転移患者の予後推定に寄与する可能性がある」と報告した。本演題は6月5日に開かれたASCO2006のポスターセッションで発表された。

 検討対象は、乳癌を中心とする各癌種の116例。内訳は乳癌が71例、前立腺癌が22例、腎癌が6例、胃癌が4例、肺癌が3例、結腸癌が3例、肝癌が2例、その他5例である。全例ともに、溶骨性の骨転移を認め、進展様式が不明なものは2例であった。

 試験組み入れ時のICTP値は、平均15.1±11.9ng/mLであった。組み入れ時のICTP値をもとに、カットオフ6.2ng/mLで対象を層別化したところ、それ以下を示したものが21症例(18%)あり、95例(82%)ではカットオフ値を超えていた。

 試験組み入れ後に、全例でビスフォスフォネート治療が開始され、66例にはゾレドロン酸が、残りには他のビスフォスフォネート製剤が投与された。ゾレドロン酸は3週間ごと、または4週間ごとに4mgが用いられた。なお、本試験における観察期間の中央値は、21カ月であった。
 
 結果として、カットオフ値を超えていた群(95例)の全生存期間中央値は、約2年であった。一方、カットオフ値を下回った群(21例)では、試験期間内に中央値へ達することがなく、半数以上が4年後にも生存を続けていた。

 両群のハザード比を求めたところ、カットオフ値を超えた場合の相対死亡リスクは2.9倍に増加しており、乳癌患者に限定した場合には3.9倍に増加していた。興味深いことに、両群間のTTP(病勢進行までの期間)には有意差を認めていない。

 Costa氏は次のように語った。「6.2ng/mLというカットオフ値は、事前の検討から導き出したものである。本検討では、カットオフ値を下回った骨転移症例が2割程度に認められ、それらの患者では生命予後が比較的良好であった。ICTPのカットオフ値を6.2ng/mLに設定することで、骨転移症例の予後推定に役立つ可能性が示唆される」。