Tiffany A. Traina氏

 アロマターゼ阻害薬はザンクトガレンのリコメンデーション以来、乳癌ホルモン療法の主役ともなっている。一方、大腸癌をはじめとする各癌種の標準レジメンにおいて、血管新生阻害薬ベバシツマブの併用効果が認められ、乳癌の化学療法においても血管新生阻害薬を併用する意義が報告されていた。今回、米スローン・ケータリング記念癌センターのTiffany A. Traina氏らが、進行再発乳癌に対するレトロゾールとベバシツマブの併用を検討し、その成績を6月4日のポスターセッションで発表した。

 対象は病勢コントロールの得られている進行再発乳癌の43例であった。初発時の術後補助療法として29例には化学療法が、23例にはタモキシフェンが用いられ、また、進行再発後の1st-lineには37例(86%)で非ステロイド型アロマターゼ阻害薬(NSAI)が投与されていた(投与期間中央値15.4週)。なお、全例ER陽性で、大半が閉経後であった。閉経前のケースには薬物的、もしくは外科的な卵巣機能廃絶が施されていた。

 評価可能であった37例について、レトロゾールとベバシツマブの併用効果が検討された。レトロゾールの投与量は2.5mg/日、ベバシツマブは15mg/kgを3週間隔で5クール投与された。

 結果として、試験期間中にPDとなったものは22%あり、その他の症例では病勢コントロールが持続していた。無進行生存期間中央値は10カ月であり、試験開始前のNSAI投与期間を合わせると優に1年以上の進行抑制が得られていた。ちなみに、本検討では期間内にPRの得られた3例が含まれていたが、それらはすべて試験開始前のNSAI投与期間が1カ月未満と短い症例であった。忍容性は概ね良好、Garde3(5%)以上の副作用は高血圧、頭痛、および蛋白尿であった。

 Traina氏はこの結果について、次のような解説を加えた。「本検討対象のほとんどがNSAIでの前治療歴を有するため、結果の解釈が難しい。しかし、“1st-lineレトロゾール単独のTTPは9.4カ月”との既報告に比べて、明らかな無進行期間の延長が併用療法にて得られたものと考えられる」レトロゾールとベバシツマブ併用の忍容性は良好であったため、Cancer and Leukemia Group Bで、ランダム化試験が計画されているという。