Marc Dror Michaelson氏

 非転移性の前立腺癌患者では、GnRHアゴニストがしばしば用いられるが、これらの薬剤の使用に際しては、骨量減少骨折などの副作用の発現に注意する必要がある。米マサチューセッツ総合病院のMarc Dror Michaelson氏は、このような患者にゾレドロン酸を年1回、間歇投与することで、骨密度骨代謝回転を有意に改善したと、6月4日の一般口演で報告した。

 前立腺癌患者では、GnRHゴナドトロピン放出ホルモンアゴニストが骨密度(BMD)を減少させ、骨折リスクを増加させることがしばしば問題となる。ゾレドロン酸を4mg i.v.、3カ月ごとに投与することで、GnRHアゴニスト使用患者のBMDを増加させることは、既に報告されている。また、ゾレドロン酸4mg i.v.、年1回の投与は骨粗鬆症を有する閉経後女性のBMDを増加させることも報告されている。しかし、低性腺機能の男性に対するゾレドロン酸の間歇投与の効果は明らかではない。そこで、Michaelson氏らはこの試験の実施を試みた。

 非転移性の前立腺癌でGnRHアゴニストを服用し、骨減少が認められる患者(Tスコア>−2.5)44人を対象とした、観察期間12カ月のプラセボ対照無作為化オープン試験である。1次エンドポイントであるBMDの測定はDXA法で評価している。

 その結果、驚くことに、ゾレドロン酸の年1回の投与で、投与12カ月後、腰椎大腿骨頸部および大腿骨転子部のBMDはいずれもプラセボ群より有意に改善した。特に腰椎でのBMDの変化率の違いは顕著で、プラセボ群が-3.1±0.9%、ゾレドロン酸投与群が+4.0±0.9%であった(p<0.001)。

 また、破骨細胞活性のマーカーである血清N-テロペプチド及び骨芽細胞活性のマーカーである骨型ALP(アルカリフォスファターゼ)もゾレドロン酸の1回投与でプラセボ群に対し12カ月間有意に低下した(p=0.01、p=0.0003)。

 年1回のゾレドロン酸の間歇投与が、GnRHアゴニストによる骨密度の低下を抑制し、骨代謝回転の亢進を抑制することが示された。

 Michelson氏は「簡便な治療法であり、GnRHアゴニスト治療を受け骨粗鬆症のリスクがある患者には試みるべき治療である」と述べた。