強力かつBcr-Ablに対する選択性も高められた新しいチロシンキナーゼ阻害薬「ニロチニブ」。イマチニブ抵抗性または不耐応の慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)患者81人を対象とした第2相臨床試験の結果が6月4日のポスターセッションでMDアンダーソン癌センターのHagop M. Kantarjian氏が発表した。ニロチニブの投与によって、血液学的効果と細胞遺伝学的効果が高率に認められ、効果発現までの期間が比較的早いことが示された。また、忍容性も良好であり、臨床応用への期待が高まる結果であった。

 対象はフィラデルフィア染色体(Ph+)慢性期慢性骨髄性白血病で、イマチニブ治療に対して抵抗性又は不耐応を示す患者である。

 イマチニブ抵抗性患者とは、(1)イマチニブを600mg以上投与しているにもかかわらず疾患が進行している患者、(2)投与4週後に骨髄中の血液学的反応が認められない患者、(3)600mg未満の投与ではあるが、L248、G250、Q252、Y253、E255、T315、F317、H396の変異が認められる患者と定義されている。また、イマチニブ不耐応患者とは、(1)Grade3/4の有害事象が認められる患者、(2)1カ月、Grade2の有害事象が継続する患者と定義されている。
本試験は、多施設オープン試験で、ニロチニブ400mg1日2回から開始し、600mg1日2回まで増量可能とした。投与期間の中央値は185日(3〜287日)であった。

 81人が登録され、有効性の1次エンドポイントである「血液学的完全寛解」に関しては、ベースラインの時点で「完全寛解」が得られていない54人が対象となった。

 その結果、血液学的完全寛解:CHRが69%(37/54人)に、細胞遺伝学的効果「Major CR」が46%(37/81人、そのうちComplete26人、Partial11人)に認められた。また、血液学的完全寛解までの期間の中央値が1カ月、「Major CRまでの期間」の中央値が3カ月と、効果発現が早いことは注目された。

 主な有害事象(対象:81症例)は、頭痛27人(33%)、そう痒感26人(32%)、易疲労感25人 (31%)、発疹 22人(27%)、悪心21人(26%)、下痢20人(25%)、血小板減少症18人(22%)などであった。また、Grade3/4の有害事象は、血小板減少15人(19%)、好中球減少症13人(16%)、関節痛4人(5%)、発疹3人(4%)、貧血3人(4%)、リパーゼ上昇3人(3%)などであった。イマチニブに比べて血液毒性や発疹、浮腫といった有害事象の発現頻度が低い傾向にある。また、有害事象や臨床検査値異常により投与中止に至った患者は、それぞれ13人(16%)、1人(1%)であり、忍容性は良好であると報告された。

 この試験により、ニロチニブは現在治療困難なイマチニブ抵抗性又は不耐応の慢性期慢性骨髄性白血病患者に対する優れた治療法であることが示された。「さらに、今後、長期的治療に関するニロチニブの有用性が検討されることになろう」とKantarjian氏は最後に強調した。