ドイツ・エアランゲン大学のJoachim R. Kalden氏

 抗TNF薬の登場によって関節リウマチ(RA)の治療は大きな変化を遂げ、臨床症状の改善から関節破壊の抑制へと治療ゴールを引き上げた。インフリキシマブによる2つの大規模臨床試験ATTRACTASPIREは、抗TNF薬の実力を明確にした意義あるエビデンスである。横浜で開催されたアジア太平洋リウマチ学会(APLAR2008)で9月25日に行われたシンポジウムにおいて、ドイツ・エアランゲン大学のJoachim R. Kalden氏は、これら2試験の成績を振り返った。

 メトトレキサート(MTX)による治療を3カ月以上継続しているにもかかわらず、コントロール不良の活動性RA患者428例を対象としたATTRACT試験では、MTX併用下において、インフリキシマブ3mg/kgの8週間隔群、3mg/kgの4週間隔群、10mg/kgの8週間隔群、10mg/kgの4週間隔群、およびプラセボ群の比較が行われた。

 結果は、いずれの群でもプラセボ群に比べ有意に高いACR20改善率が得られている。vdH-Sharpスコアについても、プラセボ群ではベースライン時から平均7.0ポイント上昇していたが、実薬群では関節破壊の進行が抑制されていた(-0.7〜1.6ポイント、すべての実薬群でプラセボ群に対してp<0.001)。また、本剤の関節破壊抑制効果は、ACR20を満たしたレスポンダーのみならず、臨床症状の改善がみられなかったノンレスポンダーにおいても認められた。

 ATTRACT試験を追って、MTX投与歴のない発症3年以内の活動性RA患者1049例を対象として実施されたASPIRE試験では、早期RA患者におけるインフリキシマブ+MTXの効果が検討された。本試験においてもインフリキシマブは、3mg/kg群、6mg/kg群(いずれも8週間隔で投与)ともにプラセボ群に対し、関節破壊を有意に抑制した。

 講演を締め括るにあたりKalden氏は、抗TNF薬の有用性は今や揺るぎないものだと述べ、早期から抗TNF薬を導入して寛解を目指す治療の重要性を強調した。