オランダ・ライデン大学医療センターのFerdinard C. Breedveld氏

 近年、関節リウマチ(RA)の治療は、関節破壊をくい止め、機能障害を防ぐために、早期からの積極的治療が主流となりつつある。オランダ・ライデン大学医療センターのFerdinard C. Breedveld氏は、9月23〜27日に開催されたアジア太平洋リウマチ学会(APLAR2008)のシンポジウムで、早期からの強化抗リウマチ薬(DMARDs)療法の有効性を検討した試験や、4つの異なる治療戦略の有効性を検討したBeSt試験の成績などを紹介し、早期からインフリキシマブメトトレキサート(MTX)併用療法を行うことによって、RA治療のパラダイムシフトを達成しうると述べた。

 プレドニゾロン、MTX、スルファサラジン(SSZ)の3剤併用によるステップダウン療法の有効性を5年間にわたって検討したCOBRA試験では、治療初期に強力な治療を行うことで、SSZ単独に比べ関節破壊の進行が抑制できることが示された。

 またTICORA試験では、強化療法は通常療法に比べて疾患活動性を大きく低下させること、早期RA患者を対象としたCAMERA試験では、MTXを7.5mg/週から30mg/週まで増量することにより6カ月後の寛解率が通常療法の約2倍(41% vs 24%)に向上することが示されている。しかし、DMARDsによって臨床的寛解が得られても、寛解持続例に比べて再燃例では関節破壊の進行が大きいことが報告されている。

 BeSt試験は、早期活動性RA患者508例を対象に、新旧4つの治療戦略の有効性を比較した試験である。疾患活動性の低下がみられない場合(DAS44>24)に治療を変更していくが、第1群はMTX単独で治療を開始し、MTX増量、他のDMARDsへの変更、インフリキシマブへの変更、第2群はMTX単独で治療を開始し、MTX増量、他のDMARDsを追加後、インフリキシマブに変更、第3群はMTXと高用量ステロイド、SSZの併用で治療を開始し、MTX増量、SSZをシクロスポリンへ変薬した後、インフリキシマブに変更、第4群はインフリキシマブ+MTXで治療を開始というプロトコルになっている。なお、インフリキシマブで寛解が得られた後は、いずれの群もインフリキシマブを休薬し、DMARDsによる治療を行う。

 本試験は現在も追跡が継続しているが、2年後のHAQスコアは第3群および第4群で第1群に比べて有意に低下しており、3年後の平均Sharpスコアは第1群9.5、第2群6.6、第3群3.9、第4群3.3であり、第4群で最も関節破壊が抑制されていた。

 なお、第4群では、4年後の時点で120例中61例がインフリキシマブの休薬に至り、20例がドラッグ・フリーとなっていた。

 以上の知見からBreedveld氏は、「関節破壊の進行抑制、寛解導入を治療のゴールとして、抗TNF薬による早期からの積極的治療が強く推奨される」と述べ、講演を締め括った。