霞ヶ関南病院の東孝典氏

 抗TNF療法治療抵抗性を示す関節リウマチ(RA)患者に対し、大量白血球除去療法(High-dose LCAP)を実施したところ、4週後の時点で8割超の患者で治療抵抗性が改善し、実施8週後にも半数以上の患者で効果が持続していたことが分かった。霞ヶ関南病院の東孝典氏らの研究で、成果は9月23日から横浜で開催されているアジア太平洋リウマチ学会(APLAR2008)の電子ポスターセッションで報告された。

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗リウマチ薬(DMARDs)では十分な効果が得られないRA患者に対する選択薬として、近年はインフリキシマブエタネルセプトなどの生物製剤による抗TNF療法が用いられるようになっている。

 しかし、抗TNF療法も万能ではなく、治療抵抗性を示す症例も少なくない。そうした場合、東氏らの施設ではメトトレキサート(MTX)タクロリムスミゾリビン(MZR)などを併用し、改善例もみられてきた。しかし、いずれの治療法も安定した効果を得られるわけではないため、東氏らは新たな治療法として、日本で確立されたLCAP療法に着目した。

 LCAP療法は、関節リウマチの炎症症状に白血球の活性化が関与するとの知見をもとに、血液を体外循環フィルターに通して白血球を除去し、炎症の鎮静化を目指すもの。本検討では、体重当たりの血液処理量が100mL/ kgと、従来のLCAP療法の倍量の処理が可能な大型浄化器を用いた。これが大量LCAP療法と呼ばれる。

 研究グループはまず、同院で抗TNF療法を施行しているRA患者50人(インフリキシマブ投与群33人、エタネルセプト投与群17人)を対象に、DAS28(28-joint Disease Activity Score)に基づいて治療反応性を調べ、18人を治療抵抗性と判定した。

 その中から、6カ所以上の腫脹と、赤血球沈降速度≧50mm/時またはCRP≧3mg/dLの条件を満たす疾患活動性が高い12人(インフリキシマブ投与7人、エタネルセプト投与5人)を大量LCAP療法の適応とした。

 これらの患者に対し、週1回の大量LCAP療法を4〜5回施行し、治療終了4週間後と8週間後に再びDAS28で評価した。また、抗TNF療法は検討期間中も継続した。

 その結果、4週間後の評価で8割超の12人中10人に治療抵抗性の改善がみられ、この時点で同院の抗TNF療法有効例は50人中32人(64%)から42人(84%)に増加した。8週間後の評価でも、半分以上の患者で効果が持続していた。副作用に関しては、鼻閉1例、吐き気1例、軽度の貧血1例だった。

 本検討により、大量LCAP療法は、RA患者に散見される抗TNF療法抵抗性を安全に改善する可能性が示唆された。少なくとも、同院で実施されるMTX、FK506、MZRなどの併用よりは著明に高い効果が示された。今後の課題として東氏は、大量LCAP療法による長期治療の安全性評価と再治療時の有効性評価を挙げていた。