インドChandigarh & Fortis Multispeciality病院のAshit Syngle氏

 既存の抗リウマチ薬(DMARDs)が効かない関節リウマチ(RA)炎症症状に対し、心不全薬などとして用いられる抗アルドステロン薬スピロノラクトンが期待できることが示された。9月23日から横浜で開催されているアジア太平洋リウマチ学会(APLAR2008)で、インドChandigarh & Fortis Multispeciality病院のAshit Syngle氏らが発表した。

 Syngle氏らは、一般的なDMARDsを6カ月以上継続投与されているRA患者の中から、疾患活動性が高いと考えられるDAS-28 スコア(Disease Activity Score of 28 Joints)5.1以上の24人(女性22人、リウマチ因子陽性22人)に対してオープンラベル試験を実施、経口スピロノラクトン2mg/kg/日を12週間投与した。

 評価項目は、米国リウマチ学会診断基準であるACR20ACR50赤血球沈降速度(ESR)CRP早朝硬直(EMS)HAQ障害指数(Health Assessment Questionnaire-Disability Index)のスピロノラクトン投与前と投与12週間後の変化とした。

 また、血管内皮障害の指標として血漿中硝酸塩濃度内皮依存性血管拡張反応(FMD)ニトログリセリン投与による上腕動脈内皮非依存性血管拡張反応高解像度超音波検査)も投与前後に評価した。

 結果は、DAS-28は投与前の6.9±0.25から投与後は4.1±0.31(p<0.05)に、HAQ-DIは1.47±0.09から0.69±0.1(p<0.05)に減少した。EMSは73.69±6.2分から7.9±2.18分(p<0.05)に、ESR1時間値は59.90±4.86mmから51.22±4.26mm(p<0.001)に、CRPは15.2±3.8mg/dLから9.4±2.6mg/dL(p<0.019)に減少した。

 また、すべての患者がACR20を達成し、うち6人はACR50も達成した。さらに、血漿中硝酸塩濃度は6.9±0.34μmol/Lから6.8±0.33μmol/Lに有意に低下し(p<0.001)、FMDは3.18±0.46%から3.95±0.49%に改善した(p<0.001)。しかし、上腕動脈の内皮非依存性血管拡張反応には有意な変化は示さなかった。

 Syngle氏らは、「本検討により、RAでは血管内皮障害も病像の一つであることが示唆された」とした上で、スピロノラクトンには、RAの炎症症状と血管内皮障害の改善効果が期待でき、新たなDMARDsになる可能性が示されたと結論付けていた。