英国スウィンドンGreat Western病院リウマチ科のErnest CS Wong氏

 関節リウマチ(RA)患者には消化管症状が少なくない。抗リウマチ薬(DMARDs)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)ビスフォスフォネート製剤などが消化管機能に影響を与えやすいことはよく知られているが、自己免疫疾患のひとつであるセリアック病の合併が、RA患者には予想以上に多い可能性が新たに指摘された。英国スウィンドンのGreat Western病院リウマチ科のErnest CS Wong氏らが、同施設のRA外来患者を対象にしたアンケート調査をもとに、9月24日から横浜で開催されているアジア太平洋リウマチ学会(APLAR2008)で報告した。

 Wong氏らは、グルテン不耐性疾患として知られるセリアック病と胸焼けの頻度を調べるため、外来患者に対して、一般的な健康状況の質問表に、下痢症状腹痛、自然な体重減少タール便の有無、グルテン除去食の摂取など、消化管症状に関する項目を加えたアンケート調査を実施した。グルテン不耐性は消化管の吸収不全を来し、薬剤の効果を減少させるとともにRAの治療効果を減弱させるという。

 調査の結果、391人のRA患者から完全な回答が得られた。男女比は1:2、平均年齢は62.5±14.1歳だった。そのうち16人はセリアック病が判明しており、グルテン除去食を行っており、ほかに13人は普通食を摂取していたがセリアック病を疑わせる症状をすべて有していた。

 英国の疫学調査によれば、一般人口におけるセリアック病の罹病率は250人に1人、診断されていない患者を含めても100人に1人とされる。本調査におけるセリアック病と疑い患者の合計(29人)は、少なくともその7倍以上に当たる。

 一方、胸焼けは56%(219人)と過半数にみられ、これも英国の疫学調査における一般人口の罹病率28.7%を大きく超えた。胸焼けを訴えた患者の59%(129人)はNSAIDsを服用していた。このほか、23%がタール便を、16%が摂食制限によらない自然な体重減を、54%が下痢を訴えていることが判明した。

 本研究の結果から、RA患者におけるセリアック病の罹病率は一般人口に比べて著明に高い可能性があり、より詳細な検討の必要性が示唆された。また、胸焼けやタール便などの症状が放置されている状況も考えられるとして、RA患者の治療に際しては消化管障害にも留意すべきだと指摘していた。