早朝高血圧を呈する患者においては、早朝の収縮期血圧を下げることが尿中アルブミン排泄量(UAE)の抑制に重要であることが、また、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)ロサルタンと利尿薬ヒドロクロロチアジド配合剤の方が高用量ロサルタンよりも降圧幅が大きく、UAEを低下させることが示された。久留米大学心臓・血管内科部門の甲斐久史氏らが、MAPPY研究(Morning Hypertension and Angiotensin Receptor Blocker/Hydrochlorothiazide Combination Therapy Study)グループを代表し、11月3日からロサンゼルスで開催中の第85回米国心臓協会・学術集会(AHA2012)で発表した。

 対象は、降圧薬を処方されている外来患者のうち早朝高血圧(早朝家庭血圧が135/85mmHg以上)を有する216例。これらの患者を、ロサルタン50mgとヒドロクロロチアジド12.5mgの配合剤を毎朝1錠投与する群(配合剤群、109例)とロサルタン100mgを毎朝投与する群(高用量群、107例)に無作為に割り付け、3カ月間追跡した。

 患者背景に関しては、年齢、BMI、早朝家庭血圧、夜間家庭血圧、外来血圧、喫煙率、HDLコレステロール、トリグリセリド、HbA1c、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)、他疾患の合併率などに差は見られなかった。一方、男性比率が配合剤群57.8%、高用量群42.1%、またLDLコレステロール値が順に107.5±28.8mg/dL、117.7±29.3mg/dLと、いずれも有意差が認められた(P=0.021、P=0.020)。

 ベースライン前の投与薬剤の状況を見ると、β遮断薬は配合剤群が20.2%、高用量群が10.3%と有意差が認められたが(P=0.043)、ARBやACE阻害薬、Ca拮抗薬、スタチン、経口糖尿病薬などでは特に差はなかった。

 早朝収縮期血圧の変化に関しては、配合剤群はベースライン時の150±10mmHgから3カ月後は132±12mmHgへ、高用量群は151±9mmHgから143±14mmHgへ、それぞれ有意に低下した(ともにP<0.001)。また、3カ月後においては、配合剤群の方が高用量群よりも有意に低かった(P<0.001)。

 UACR(常用対数値)については、配合剤群はベースライン時の1.30±0.60から3カ月後は1.03±0.55に低下していたが、高用量群は1.42±0.65から1.37±0.67とほとんど変化していなかった。そこで、多変量線形回帰分析によりUACR減少の規定因子を検討したところ、唯一、早朝収縮期血圧の低下率が独立した因子として同定された。

 さらに、早朝収縮期血圧の低下率を3分位(13.0%以上群、6.2〜12.9%群、6.1%以下群)に分け、尿酸減少率と配合剤治療の有無で補正したUACR減少率を見ると、早朝収縮期血圧の低下率が大きくなるほど高くなっていた(P=0.02 for trend)。

 以上の結果から甲斐氏は、「早朝高血圧コントロールおよびUAE抑制において、ロサルタン/ヒドロクロロチアジド配合剤は高用量ロサルタンよりも優れていた。また、早朝高血圧を呈する患者においては、早朝収縮期血圧の低下がUAE抑制に重要であった」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)