アルゼンチンGESICA財団のAlejandro Macchia氏

 心房細動歴のある人へのオメガ3多価不飽和脂肪酸n-3 PUFA)の毎日投与には、心房細動の再発予防効果が確認できなかった。これは、アルゼンチンGESICA財団のAlejandro Macchia氏らが、600人弱について行った多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験、「FORWARD」の結果明らかにしたもの。成果は、11月3日からロサンゼルスで開催中の第85回米国心臓病学会・学術集会(AHA2012)で発表された。

 Macchia氏らは、2008年1月〜11年3月にかけて、症候性発作性心房細動で、カルディオバージョンを行った人(428人)、または試験開始6カ月以内に心房細動の症状が2回以上あった人(55人)、もしくはその両方にあてはまる人(103人)、合わせて586人について、試験を開始した。

 同研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはn-3 PUFA1g(エイコサペンタエン酸/ドコサヘキサエン酸を850〜882mg含む)を毎日投与し(289人)、もう一方にはプラセボを投与した(297人)。

 主要評価項目は、症候性心房細動の初回再発だった。追跡は、主要評価項目の発生または12カ月間とした。

 両群の被験者の平均年齢は66歳、男性は5〜6割だった。また、ベースライン時にアミオドロンを服用していた人の割合は6割以上、β遮断薬の服用割合も6割以上だった。両群で、高血圧症、糖尿病、冠動脈性心不全、冠動脈性心疾患などの割合は、同等だった。

 試験の結果、追跡期間中に症候性心房細動の初回再発が認められたのは、プラセボ群で56人(18.9%)に対し、n-3 PUFA群で69人(23.9%)と、両群で有意差はなかった(ハザード比:1.28、95%信頼区間[CI]:0.90-1.83、P=0.17)。

 総死亡、非致死心筋梗塞・脳卒中、塞栓症、心不全の発症、重度出血の統合イベント発生率もまた、プラセボ群で20人(6.7%)に対し、n-3 PUFA群で16人(5.5%)と、両群で同等だった(ハザード比:0.86、95%CI :0.44-1.66、P=0.65)。その他、総死亡率はプラセボ群で1.7%に対し、n-3 PUFA群で1.4%、入院率はそれぞれ14.1%と16.6%と、いずれも両群で同等だった。

 Macchia氏は、これまでに発表された試験結果も踏まえ、「n-3 PUFAには心房細動の二次予防効果はないようだ」と結論づけた。

 また、ディスカッサントでBrigham and Women's HospitalのChristine M. Albert氏は、FORWARDの主要評価項目の95%信頼区間について、「下限が0.90と1に近い一方で、上限が1.83であることから、n-3 PUFAが心房細動再発に対し、リスク増大の方がより可能性がありそうだ」とコメントし、これまでに発表されたn-3 PUFAと心房細動再発に関する試験でも、被験者数が多い2つの試験で、同様な傾向が認められることを指摘した。

(日経メディカル別冊編集)