ノルウェーOslo University HospitalのMette Svendsen氏

 キウイを1日3個食べる方がリンゴを1日1個食べるよりも、24時間自由行動下血圧が改善されることが報告された。ノルウェーOslo University HospitalのMette Svendsen氏らが、フロリダ州オーランドで開催された第84回米国心臓協会・学術会議(AHA2011)で発表した。

 血圧は言うまでもなく心血管疾患の独立したリスク因子であり、収縮期血圧をわずか3mmHg低下させただけでも、脳卒中死亡率が約8%低下するという報告がある。また、DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)研究では、野菜や果物、低脂肪乳製品の摂取量の増加は、血圧を減少させることが示された。しかし、どの野菜、果物がより適しているのかは明確になっていない。

 そこで、Svendsen氏らは抗酸化物質の黄色色素ルテインを多く含むキウイとそうでないリンゴの比較を試みた。方法としては、他の食事内容は変えることなく、1日当たり3個のキウイあるいは同1個のリンゴを8週間にわたり毎日食べてもらい、24時間自由行動下血圧の変化を調べた。なお、キウイ3個とリンゴ1個は重量がだいたい等しくなる個数だ。

 抗酸化量を100g当たりのFRAP(ferric reducing antioxidant power)で測定したところ、この検討を実施した9月だと、キウイは1.03mmol、リンゴは0.16mmol、10月はそれぞれ0.79mmol、0.10mmolと、キウイはリンゴのほぼ6〜8倍多かった。

 検討対象は、収縮期血圧135〜150mmHg、拡張期血圧85〜99mmHgのいずれかあるいは両方を満たす35〜69歳の118人。1日3個のキウイを摂取するキウイ群(58人)と1日1個のリンゴを摂取するリンゴ群(60人)に無作為に割り付けた。患者背景はキウイ群が男性22人、女性36人、BMIは25.6±3.2kg/m2、血圧140±9/90±6mmHg、リンゴ群が男性28人、女性32人、BMIは26.4±3.2kg/m2、血圧138±10/88±6mmHgだった。その後、キウイ群で2人、リンゴ群で1人が脱落した。

 8週間後、24時間自由行動下収縮期血圧をみると、キウイ群がベースラインに比べ1.1mmHgの減少、リンゴ群が2.5mmHgの増加で、両群の差は3.6mmHg(95%信頼区間[CI]:0.6-6.6、P=0.017)と、キウイ群の方が血圧は有意に改善していた。同じく拡張期血圧はそれぞれ0.2mmHgの減少、1.7mmHgの増加で、両群の差は1.9mmHg(95%CI:0.1-3.7、P=0.040)で有意差が認められた。

 これらの結果からSvendsen氏は、「1日当たり3個のキウイを摂取した方が1日当たり1個のリンゴを摂取するよりも、24時間自由行動下血圧が改善する」と結論した。加えて、キウイを降圧治療のためのDASH食や他の食事療法に組み込むことを検討すべきだとの見解を示した。

(日経メディカル別冊編集)