コスタリカCIMA San Jose HospitalのJose G. Jimenez氏

 糖尿病を合併した心血管疾患(CVD)患者のLDLコレステロール(LDL-C)管理に、エゼチミブとシンバスタチンの併用療法がスタチンの増量よりも高い有効性を示すことが前向き無作為化二重盲検比較試験の結果として報告された。フロリダ州オーランドで開催された第84回米国心臓協会・学術集会(AHA2011)で、コスタリカCIMA San Jose HospitalのJose G. Jimenez氏が発表した。

 試験は6週間のラン・イン期間と本試験の2段階で行われた。対象は18歳以上80歳未満の非アジア系で、1型/2型糖尿病と症候性または顕性CVDの合併例とした。

 まず1652人を組み入れ、6週間のラン・イン期間にシンバスタチン20mgまたはアトルバスタチン10mgを投与。6週後にLDL-C値が70mg/dL以上160mg/dL以下だった808人を2:1:2で、(1)エゼチミブ10mg/シンバスタチン20mg(322人)、(2)ラン・イン期間のスタチン用量の2倍量(162人)、(3)ロスバスタチン10mg(324人)の3群に無作為割り付けし、二重盲検で治療を行った。男女比、平均年齢、糖尿病罹病期間、脂質関連指標については3群間で差はなかった。

 主要評価項目は、本試験終了時(6週後)におけるベースラインからのLDL-C低下率。副次評価項目は、本試験終了時における他の脂質とリポ蛋白のベースラインからの変化率、LDL-C 70mg/dL未満を達成した患者の割合(%)とした。また安全性、忍容性についても評価した。

 その結果、主要評価項目である本試験終了時のLDL-C低下率は、エゼチミブ/シンバスタチン群が−23.1%で、スタチン2倍量群の−8.4%に比べて有意な低下を示した(P<0.001)。ロスバスタチン群に対しては、有意差は認めなかったものの、より大きな低下傾向を示した。

 次に、ラン・イン期間の投与薬剤別に、本試験でエゼチミブ/シンバスタチン群に割り付けられた群と同じ薬剤の2倍量投与群に割り付けられた群を比較したところ、シンバスタチン20mgからエゼチミブ/シンバスタチン群に割り付けられた群のLDL-C低下率は−21.6%で、シンバスタチン2倍量(40mg)割り付け群の−8.0%より有意に低下率が高かった(P<0.001)。また、アトルバスタチン10mgからエゼチミブ/シンバスタチン群とアトルバスタチン20mgに割り付けられた群もそれぞれ−24.6%と−8.9%で、有意な差が認められた(P<0.001)。

 本試験終了時にLDL-C 70mg/dL未満を達成した患者の割合は、エゼチミブ/シンバスタチン群で54.5%となり、スタチン2倍量群27.0%、ロスバスタチン群42.5%のいずれに対しても有意に高い達成率だった(P<0.001)。

 LDL-C以外の脂質については、エゼチミブ/シンバスタチン群とスタチン2倍量群との比較で、総コレステロール(−13% 対 −5%)、non-HDL-C(−19% 対 −7%)、Apo B(−15% 対 −7%)でそれぞれ有意な低下率を示した(すべてP<0.001)。

 また、安全性については、本試験の3群ともに死亡例はなく、重篤な有害事象もほとんど認めず、有意な差はなかった。

 以上の結果をもとにJimenez氏は、「エゼチミブ/シンバスタチン併用は、高い忍容性を維持しながら強力な脂質低下療法を可能にする。高脂血症、CVD、糖尿病などを合併し、LDL-C 70mg/dL未満への厳格なコントロールが必要なハイリスク患者には有用な選択肢になる」と結論づけた。

(日経メディカル別冊編集)