韓国のASEAN医療センターのWon-Jang Kim氏

 非常に長いびまん性病変に対するゾタロリムス溶出ステントZES)療法は、主要有害心事象MACE)の発生率がパクリタキセル溶出ステント(PES)の場合と同等だったが、シロリムス溶出ステント(SES)よりは高い傾向が認められた。ZEST試験のサブ解析によって明らかになったもので、韓国のASEAN医療センターWon-Jang Kim氏(写真)らが、11月13日から17日までシカゴで開催される第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010)で発表した。

 薬剤溶出ステント(DES)は血管造影上の再狭窄に対して有効であることが示されてきたが、長い冠動脈病変の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は困難で長期の実績は少ないのが現状である。演者らはこうした認識の下で、第2世代のZESと第1世代であるPES、SESを比較検討したZEST試験において、非常に長い冠動脈病変(病変長≧28弌砲鮖つ患者を対象にサブ解析を行った。主要評価項目は、MACEである死亡、心筋梗塞(MI)、虚血のための標的血管の血行再建術(TVR)の複合とした。

 サブ解析では、非常に長い冠動脈病変を持つ960人の患者に対し、3種類のステントを留置し、2年間の臨床追跡が行われた。それぞれ、ZES群が322人、SES群が317人、PES群が321人だった。この3群間で患者背景に目立った違いはなかった。

 その結果、24カ月時点で、ZES群はPES群と比較してMACEの発生率は同等(16.1%対17.4%、p=0.58)であったが、SES群と比較したところMACEの発生率は高い傾向(16.0%対11.0%、p=0.059 )を示した。この差異は、主にTVRによるものであった(SES対ZES、p=0.059。ZES対PES、p=0.37。SES対PES、p=0.006)。なお、3群間で死亡、あるいはMIに有意差はなかった。

 これらの結果から演者らは、「非常に長い冠動脈疾患をもつ患者に対してはZESを用いたPCIは、PESを用いた場合と比較してMACEの発生率は同等であったが、SESを用いた場合と比較すると2年後の時点でMACEの発生率は高い傾向にあった」と結論した。

(日経メディカル別冊編集部)