米・ボストン小児科病院のDoug Mah氏

 心臓移植を待っている乳児の待機中死亡率は、現在も22%と依然として高いことが分かった。多施設コホート研究で明らかになったもので、米・ボストン小児科病院のDoug Mah氏(写真)らが11月12日、ニューオーリンズで開催されていた米国心臓協会・学術集会(AHA2008)で発表した。危険因子の分析では、年齢3カ月未満であることや非白人人種であることも待機中の死亡と関連していたことから、「この年齢層に対するドナー確保策を改善し、直ちに臓器割り当てを調整して待機中死亡率を下げることが必要だ」と訴えた。

 移植臓器供給米国ネットワーク(UNOS;United Network for Organ Sharing)のデータによると、小児の全移植希望者のうち乳児の待機中死亡率が最も高い。演者らは、現在の待機リストに載っている乳児の死亡率を調べ、待機中死亡に関連した危険因子を特定することを目指し、多施設コホート研究を実施した。

 対象には、移植レシピエントの科学的登録(Scientific Registry of Transplant Recipients)データベースを使い、1999年1月から2006年7月までの間に心臓移植の待機リストに載った年齢12カ月未満のすべての乳児を分析した。臨床および背景の特性は、リスト記載時に記録されたデータを使い、多変量ロジスティック回帰分析によって待機中死亡の危険因子の特定を試みた。

 調査した6年間において、年齢12カ月未満の患者は1133人だった。平均年齢は中央値で1カ月(0〜5カ月)、平均体重は4.0kg(中央値、3.2〜5.6kg)だった。516人(45%)が女児、438人(39%)が非白人、724人(64%)に先天性心疾患(CHD)を認め、910人(80%)がステータス1Aにリストアップされていた。

 全体では、250人(22%)が待機中に死亡した。内訳は、179人(72%)が年齢3カ月未満で待機リストに載った乳児、190人(76%)がCHDだった。人工呼吸器使用者で89人(35%)、ECMO(体外膜型肺)使用者で68人(27%)が死亡していた。

 多変量分析で、待機中死亡の危険因子を探ったところ、年齢3カ月未満(ハザード比1.5、95%信頼区間1.1〜2.0、以下同)、CHD(2.0、1.5〜2.7)、人工呼吸器使用(2.0、1.5〜2.7)、ECMO使用(5.0、3.6〜7.0)、非白人人種(1.7、1.4〜2.2)が浮かび上がった。

 演者らは特に、年齢3カ月未満、非白人人種、CHD、人工呼吸器使用、ECMO使用が待機中死亡とそれぞれ単独で関連していた一方で、リスティングステータスは関連していなかった点に着目。臓器割り当てシステムに問題があるとし、喫急の対策が必要であると指摘した。