Brigham and Women's HospitalのHoward D. Sesso氏

 ビタミンEもしくはビタミンCを摂取し続けても、心血管イベントの予防効果は認められないことが分かった。50歳以上の1万人余の男性を対象に10年間にわたって介入したPhysicians' Health Study II試験の成果で、Brigham and Women's Hospital(米、ボストン)のHoward D. Sesso氏(写真)らが11月9日、ニューオーリンズで開催されている米国心臓協会・学術集会(AHA2008)で発表した。

 ビタミンEあるいはビタミンCは、抗酸化作用のあるサプリメントとして、多くの米国人が利用している。しかし、その効果が定かでないことから、演者らは、長期間ビタミンEもしくはビタミンCをサプリメントとして摂取した場合、主要な心血管イベントが減少するのかどうかを確認するプラセボ対照無作為化二重盲検試験を実施した。

 対象は、登録時に50歳以上だった米国の男性医師(1万4641人)。ビタミンE(400国際単位/1日おき)+ビタミンC(500mg/日)摂取群(3656人)、ビタミンE(400国際単位/1日おき)+ビタミンCのプラセボ摂取群(3659人)、ビタミンEのプラセボ+ビタミンC摂取群(3673人)、ビタミンEのプラセボ+ビタミンCのプラセボ摂取群(3653人)に割り付け、1997年から2007年8月まで介入した(追跡期間の中央値8年)。

 その結果、主要評価項目とした主要心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死)の発生は、全体で1245例に認めた。

 これをビタミンE摂取群(7315人)とビタミンEのプラセボ群(7326人)で比較したところ、ビタミンE摂取群で620人、ビタミンEのプラセボ群で625人となり、補正ハザード比は1.01(95%信頼区間0.90-1.13)で両者に有意差はなかった。

 同様に、ビタミンC摂取群(7329人)とビタミンCのプラセボ群(7312人)で比較したところ、ビタミンC摂取群で619人、ビタミンCのプラセボ群で626人となり、補正ハザード比は0.99(95%信頼区間0.89-1.11)でこちらも両者に有意差はなかった。

 副次的評価項目である全死亡についても、ビタミンE摂取群(7315人)とビタミンEのプラセボ群(7326人)では、ビタミンE摂取群で841人、ビタミンEのプラセボ群で820人となり、補正ハザード比は1.07(95%信頼区間0.97-1.18)で両者に有意差はなかった。

 ビタミンC摂取群(7329人)とビタミンCのプラセボ群(7312人)でも、ビタミンC摂取群で857人、ビタミンCのプラセボ群で804人となり、補正ハザード比は1.07(95%信頼区間0.97-1.18)でこちらも両者に有意差はなかった。

 以上の結果から、演者らは「ビタミンE、ビタミンCに主要心血管イベントを予防する効果は認められなかった」と結論し、「今回の結果は、ビタミンE、ビタミンCのサプリメントを心血管疾患の予防策の1つとして利用することを支持しなかった」と締めくくった。