冠動脈用のマグネシウム合金製ステントの開発に取り組むRon Waksman氏

 冠動脈へのマグネシウム合金製ステント留置で、長期にわたる安全性が確認された。多施設共同の臨床試験PROGRESS-AMSの結果によるもので、米ワシントン大学医療センターのRon Waksman氏(写真)らが11月7日、米国心臓協会・学術集会の一般口演で発表した。

 PROGRESS-AMSは、米国をはじめ英国、ドイツなど7カ国の8医療施設が参加し、生体吸収性金属ステントであるマグネシウム合金製ステントを留置した患者63人を登録。臨床的なフォローアップを続ける一方、ステント挿入部を評価するために、留置後に57人、4カ月後に48人、また12カ月から28カ月までに9人に対し血管内超音波(IVUS)検査を継続した。

 12カ月間の臨床的なフォローアップ中、死亡例は1例もなく、また心筋梗塞の発症例もなかった。一方、主要心血管事象は17例に認め、虚血のための標的病変再血行再建術は17例に行われた。ただし、いずれも4カ月時点で15例発生しており、4カ月以降12カ月までは2例ずつと比較的安定していた。

 12カ月から28カ月までIVUS検査により追跡できた9人では、この間、臨床上あるいはIVUS検査で有害事象を認めなかった。

 また、4カ月時点と12カ月時点の比較では、新生内膜形成は3.04±4.89mm3減少していた。この新生内膜形成のレベルは、ベアメタルステントに比べて低いものだった。一方、血管断面積は0.28±0.883、ステント断面積は4.1±8.9mm3と、それぞれ上昇したが有意差はなく、マグネシウム合金製ステントが有効であることが示唆された。

 これらの結果からWaksman氏らは、「マグネシウム合金製ステントの冠動脈留置で、長期にわたる安全性が確認された」と結論した。また、再狭窄の主な原因が遅発性血管再構築によるものであったとし、今後のマグネシウム合金製ステントの開発に反映させたいとも語った。