大気汚染と急性心筋梗塞発症の関係解明に取り組むAndrew J Lucking氏

 ディーゼル車などの排気ガスに被曝すると、心発作や脳卒中のリスクが高まる可能性があることが示された。英エジンバラ大のAndrew J Lucking氏(写真)らが11月6日、米国心臓協会・学術集会の一般口演で発表した。

 Lucking氏らは健康な男性20人(21〜44歳)のボランティアを対象に、ディーゼルの排気ガスへの被爆実験に取り組んだ。被験者には、350μg/m3の排ガス濃度の部屋か排ガスの代わりに濾過空気の部屋で過ごしてもらった。その前後で血液採取を行い、排ガスの場合と濾過空気の場合で、血液中の血栓形成、血液凝固、血小板の活性化などに違いが現れるかを調べた。

 その結果、排ガスの被爆後に、血栓形成能、血液凝固機能、血小板凝集能などが有意に亢進していた。例えば血栓形成能は、体外における動脈血栓形成を灌流チェンバー中の血栓形成エリアを測定することで評価したが、高領域で21% (p<0.001) 、低領域でも18%(p<0.001) 、それぞれ排ガスの被爆後の方で上昇していた。

 この結果を受けLucking氏らは、「排気ガスによる大気汚染と急性心筋梗塞の発症との関係を解明する手掛かりとなるだろう」と考察した。