アルブミン尿拡張障害、いずれも高血圧における標的臓器障害としては初期に現れるが、両者の関係はどうなっているのだろうか。米ハーバード大学ブリガム女性病院のAnil Verma氏らは、拡張障害高血圧患者を対象とした大規模試験VALIDDのデータを用いてこの点を検討し、米国心臓協会・学術集会2日目、11月5日の一般口演で報告した。

 VALIDDは、左室収縮能が保たれているものの拡張障害を認める高血圧患者を対象に、拡張改善作用をバルサルタンと非レニン・アンジオテンシン(RA)系降圧薬間で比較した無作為化二重盲検試験である。対象数は384人で、無作為化して検討した。

 今回Verma氏らは、これら384人を、尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)別に「検出限界以下」、「正常」(1〜30mg/g)、「アルブミン尿」(30mg/g超)の3群に分け、拡張機能との関係を検討した。

 3群の背景因子を比較すると、「検出限界以下」群(n=151)、「正常」群(n=194)、「アルブミン尿」群(n=39)の順で収縮期血圧(p<0.001)と糖尿病合併率(p=0.003)が高くなる傾向を認めた以外、年齢、糸球体濾過率、服用降圧薬を含め、有意差はなかった。

 まず、この3群間で左室拡張能を比較すると、ACRが高くなるにしたがって拡張能が低下する有意な傾向が認められた。拡張機能の指標として「収縮期僧帽弁弁輪部血流速度(E')」,「拡張期僧帽弁弁輪部血流速度(S")」、また「左室流入血流速度(E)とE’の比(E/E')」のいずれを用いても同様だった。

 また左室重量指数もACR増加に伴って上昇する有意な傾向を示した。特に求心型肥大がACR増加とともに著明に増加する傾向があった。NT-ProBNPも同様だった。

 「高血圧患者においてアルブミン尿と拡張障害は同時期に出現し、予後予知因子である求心型心肥大やNT-ProBNP高値と相関することが明らかになった。軽症高血圧において拡張障害はアルブミン尿と同様、介入対象とすべきだろう」とVerma氏は結論した。