MASCOT研究の1年目の成績を発表するLuigi Padeletti氏

 心臓再同期療法CRT)を受けている患者において、心房細動予防機能付きペースメーカーは、持続性心房細動の発生率を下げないことが報告された。多施設単盲検試験であるMASCOT研究の1年目の成績で明らかになったもので、イタリアOspedale大のLuigi Padeletti氏(写真)らが11月6日、米国心臓協会・学術集会のLate Breaking Clinical Trials 3で発表した。

 MASCOT研究は、CRTを受けている患者において、心房細動予防機能付きペースメーカーの効果を調べた初めての大規模調査である。イタリアをはじめ、フランス、ベルギー、ドイツ、ギリシアなど10カ国の34医療施設が参加した前向き研究で、2003年9月から2006年3月までに、心臓再同期療法を受けている患者409人に心房細動予防機能付きペースメーカーが埋め込まれた。

本セッションでは山口大学医学部附属病院長の松崎益徳氏(写真右)が座長の一人を務めた

 このうち試験の条件に合った394人を、心房細動予防機能をONの状態にしたAOP ON群(197人)と心房細動予防機能をOFFの状態にしたAOP OFF群(197人)に割り付け追跡した。試験開始から12カ月と24カ月後に、持続性心房細動の発生率を比較することになっているが、今回の発表では12カ月の成績が発表された。

 その結果、全体で13例で持続性心房細動の発生があり(全体の3.3%)、そのうちAOP OFF群が6例、AOP ON群が7例で、両群で差は出なかった。試験開始から12カ月後の成績であり、もう一つの一次エンドポイントである24カ月後の成績がどうなるのか注目される。