多施設共同研究であるCORE-64の成績を発表するJulie M.Miller氏

 64列マルチスライスCTによる血管造影法(MDCTA-64)は、冠動脈疾患の診断に有用であることが示された。国際的な多施設共同研究であるCORE-64で明らかになったもので、ジョンスホプキンス大医学部のJulie M.Miller氏(写真)らが11月5日、米国心臓協会・学術集会のLate Breaking Clinical Trials 2で発表した。

 CORE-64は、冠動脈疾患の診断におけるMDCTA-64の有用性を評価するために実施された。米国をはじめブラジル、ドイツ、日本、オランダ、カナダ、シンガポールの7カ国から9医療機関が参加し、50%以上の冠動脈狭窄がある患者をMDCTA-64で正確に診断できるかどうかを検討した。

 対象は40歳以上の冠動脈疾患を疑われる患者で、臨床的に冠状動脈造影法(CCA)が必要と判断された症例。造影剤に対するアレルギーや腎機能障害がある症例は除き、また過去6カ月間に心臓手術や冠動脈造影を受けた症例なども対象外とした。

 対象患者はまず、MDCTA-64(0.5mmスライス、東芝製Aquilion 64)の検査を受け、続いて30日以内にCCAの検査を受けた。その後30日間臨床的なフォローが行われた。

 試験は405人の患者を対象に実施した。そのうち、カルシウムスコア(石灰化指数、Agatson Calcium Score)が600以下の316人に絞り、最終的に291人について解析を行った。291人の背景は、平均年齢59歳で、男性が74%と多かった。平均BMIは27だったほか、高血圧が66%、糖尿病が23.4%、脂質代謝異常が60%にあった。

 解析の結果、診断の正確度を示す感度は平均93%、特異度は平均90%といずれも高く、また陽性反応的中率は91%、陰性反応的中率も83%という高い成績だった。

 この結果をもとにMiller氏は、「MDCTA-64の高いパフォーマンスは、冠動脈狭窄の疑いがある患者の補助診断として十分に有用である」と指摘した。