心不全患者では厳格な血圧管理が求められるが、米国心臓協会AHA)が提唱している心不全ガイドライン準拠キャンペーンに参加している先進的な医療機関でさえ、性別や人種によって、血圧管理の水準に有意な差違が見られることが明らかになった。サウスカロライナ医大のDaniel T. Lackland氏らが11月4日、米国心臓協会・学術集会のポスターセッションで提示した。

 研究グループは、AHAの心不全治療向上キャンペーンである「Get With the Guideline – Heart Failure:GWTG-HF)に参加している195医療機関において、2005年1月から2006年9月まで調査を実施した。この間、3万7318人の心不全患者のうち、高血圧と診断され、退院して上記キャンペーンに登録された1万9206人を対象とした。

 退院時に140/90mmHg未満の降圧管理が実現していた比率は、白人男性が76.3%、白人女性が71.1%だったのに対し、黒人男性は63%、黒人女性は62.9%と、人種間で差が見られた。同じ退院時、130/80mmHg未満の降圧管理が実現していた比率についても同様で、白人男性が最も高く57.4%、次いで白人女性が53.7%だったのに対し、黒人男性は42.3%、黒人女性は44.4%と人種差が見られた。

 登録患者は、糖尿病(44.9%)、高脂血症(39.2%)、冠動脈疾患(48.3%)、腎疾患(23.2%)など、高度な合併症を併発している。降圧薬も2剤以上が86.7%、3剤以上が67.3%と、3剤以上を投与しているケースが3分の2を超えており、治療に難渋している状況を示唆している。研究グループでは、「適切な血圧管理のレベルに人種差、性差が見られることから、心不全患者に対する高血圧治療の拡大が欠かせない」と指摘していた。