先天性心疾患と妊娠中の母体の尿路感染症との関連性を解明するSadia Malik氏

 乳児の先天性心疾患は、妊娠中の母体の尿路感染症と関連していることが報告された。全米先天異常予防研究(National Birth Defects Prevention Study)の分析により明らかになったもので、米アーカンソー州立大医学部(UAMS)のSadia Malik氏(写真)らが11月4日、米国心臓協会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 Malik氏らは、妊娠中の尿路感染症と先天性心疾患の関係を明らかにするため、全米先天異常予防研究の結果をもとに分析を行った。この研究には、非症候性先天性心疾患の乳児を持つ3690人の女性と先天性心疾患のない乳児を持つ女性4760人が登録されていた。

 分析では、妊娠前1カ月から妊娠第1三半期の間に、一度でも尿路感染症を発症したことがある母親に焦点を当て、感染しなかった母親と比較した。なお、易感染性である糖尿病の女性は除外し、また先天性心疾患は、治療が可能な肺静脈還流異常あるいは房室系中隔欠陥、右側あるいは左側心臓欠陥などのうち一つ以上の異常とした。

 先天性疾患群と非先天性疾患群を比べたところ、患者背景では、先天性疾患群の方で男児が多く、また妊娠性糖尿病の発症も多く、母親の年齢が高いという特徴があった。

 分析の結果、左心低形成症候群(HLHS)の乳児を持つ母親の場合で、尿路感染症の発症率は対照群の1.7倍と有意に高いことが分かった(p<0.01)。また、この先天性心疾患と尿路感染症との関連性は、他の交絡因子とは独立していた。

 この結果からMalik氏らは、「妊娠前1カ月から妊娠第1三半期の間に一度でも尿路感染症を発症したことがある母親では、左心低形成症候群の乳児を持つリスクが高まる可能性がある」と結論した。その上で、妊娠における尿路感染症への対策を進めることが、先天性心疾患のリスクを下げることにつながるだろうと指摘した。