PADの有病率増加を危惧するAndrew D Sumner氏

 米国女性で、無症候性の末梢動脈疾患PAD)の有病率が増加していることが報告された。米ペンシルバニア州Lehigh Valley病院のAndrew D Sumner氏(写真)らが11月4日、米国心臓協会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 Sumner氏らは、1999〜2004年にかけて3回実施された米国全国健康・栄養調査(NHANES:National Health and Nutrition Examination Survey)をもとに分析を行った。

 対象は、40歳以で心疾患の既往のない5376人。足関節圧比が0.9以下を無症候性PADの指標とし、同時に心疾患に関連する危険因子(糖尿病、肥満、高血圧の有病率や喫煙率)の動向を調べた。

 その結果、調査期間の6年間で無症候性PADの有病率は、1999/2000NHANES時は3.7%だったが、2003/2004NHANES時には4.6%へと有意に増加していることが分かった。また、40〜49歳、50〜60歳、70歳以上のすべての年齢層で有病率の増加が見られた。男女別にみると、女性が1999/2000NHANES時の4.1%から2003/2004NHANES時の6.3%へと増加。逆に男性では、1999/2000NHANES時の3.3%から2003/2004NHANES時の2.8%へと減少していた。

 全体ではこの6年間で、糖尿病、肥満、高血圧の有病率に増加傾向が見られ、さらに喫煙率も増える傾向にあった。PADが確認された女性に限れば、特に肥満(BMI>30)の割合が増大しており、1999/2000NHANES時の32.4%から2003/2004NHANES時の47.0%へと増大していた。

 これらの結果からSumner氏らは、「米国女性では無症候性PADの有病率が増えているだけでなく、これが糖尿病、肥満、高血圧などといった心疾患の危険因子の増加とも関連していると考えられる」と考察。女性の無症候性PADに着目した対策と女性の肥満対策が急務と指摘した。