米ロードアイランド病院のMatthew R. Voss氏

 薬剤溶出ステントDES:drug eluting stent)と従来のステント(BMS:bare metal stent)を比較すると、DESの方が1年後のアウトカムが良好とする試験結果が、3000人超を対象とした米国の調査で明らかになった。米ロードアイランド病院のMatthew R. Voss氏が、11月14日の一般口演で発表した。

これは、米国で実際にDESやBMSを挿入した患者について追跡した米国立心臓肺血液研究所(NHLBI)の登録データの分析結果で、実際の医療現場の状況を強く反映している点が特徴。治験では、被験者が最新医療を積極的に受けたいと考える集団になる選択バイアスが働くが、本研究の対象集団ではそういった片寄りは少ない。

 調査対象者数は、DESが1460人、BMSが1763人だった。年齢や性別には有意差はなかったが、糖尿病、高血圧症、高コレステロール血症、血管再生術歴、うっ血性心不全の割合は、DES群で有意に高かった。またDES群の方が、対象部位が複雑なものが多かった。

 1年の追跡を終えた被験者の割合は、BMS群で92.0%、DES群で94.5%だった。アウトカムについて比較してみると、DES群の方が、もともと血管疾患リスクなどが高かったにもかかわらず、入院中の死亡率や1年死亡率、心筋梗塞発症率については、両群に有意差はなかった。一方、血管再生術を再度行った割合は、BMS群では15.0%だったのに対し、DES群では10.0%と有意に低率だった(P<0.001)。また、標的病変血管再生術の実施率も、BMS群で9.2%だったのに対し、DES群では4.9%に留まった(P<0.001)。

 Voss氏は、今回の研究結果は、実際のルーチンの医療現場における、DESの使用を支持するものだと結論付けていた。