CHARISMA試験では、クロピドグレル低用量アスピリンに追加すると、心血管疾患患者(冠疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患)の心血管イベントが減少する2次予防効果が認められている。この2次予防の費用対効果を調べた新たな研究の結果、米国の医療システムの中で容認できる費用の増加で、余命をある程度延長できることが示された。米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJersey Chen氏らが、11月12日のポスターセッションで報告した。

 CHARISMA試験では、1万2153人の心血管患者(45歳以上)を無作為にクロピドグレル+アスピリン(6062人)とアスピリン単独(6091人)に割り付けた。研究者たちは、割り付けから追跡期間最後の受診までにかかったすべての費用(入院、治療、外来診療、検査、長期的ケアとリハビリ、薬物療法)を調べた。2004年の米国の医療費単価を基にコストを求めた。次に、カナダSaskatchewan州の健康データベースからCHARISMA研究の被験者と同等の患者を選出して参照集団とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢と性別に応じた余命を被験者ごとに推定した。

 追跡期間の中央値は28カ月。試験の複合エンドポイントである心血管死、心筋梗塞、脳卒中の発生率は、クロピドグレル+アスピリン群で6.9%、アスピリン単独群では7.9%(P=0.045)で、クロピドグレル追加群の相対リスク減少は12.5%だった。リスク減少は30カ月以上持続した。

 両群間で、治療や検査(冠動脈血管造影術、経皮経管冠動脈形成術、冠ステント、冠動脈バイパス術、頚動脈内膜切除術、末梢バイパス術)の適用頻度に有意差はなかった。入院については、総数、心筋梗塞による入院の頻度、入院日数などには有意差はなかったが、脳卒中による入院は併用群で有意に少なく、中等度から重度の出血による入院は、併用群で有意に多かった。

 これらの結果を基に1人当たりの費用を推定したところ、併用群では1万2632ドル、アスピリン単独群では9737ドルだった。一方、余命損失年数は併用群では0.60年、単独群では0.67年で、増分効果は0.07年。費用-効果比は1生存年延長当たり3万9895ドルとなった。これは、容認できる範囲のコスト増で、臨床的に評価できる水準の余命延長がもたらされることを意味する。

 これらの分析からChen氏らは、「心血管疾患の2次予防に、クロピドグレルをアスピリンと併用することは、臨床的、経済的に妥当」と評価していた。