米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のNorman K. Hollenberg氏

 2型糖尿病合併高血圧患者では、より高用量のARB腎保護効果に優れることがこれまでの臨床試験でも報告されているが(我が国で未発売のイルベサルタンを用いたIRMA2など)、バルサルタンでも、従来用量よりも高用量の方がより腎保護効果に優れることが臨床試験「DROP」(The Diovan Reduction Of Proteinuria)のデータから分かった。報告者は、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のNorman K. Hollenberg氏。

 DROPの対象は、腎症蛋白尿)を伴う2型糖尿病合併高血圧患者391例。これらの対象にバルサルタン160mg/日を4週間投与後、160mg/日をそのまま継続した群(130例)、320mg/日および640mg/日に増量した群(各々130例、131例)の間で、尿中アルブミン排泄率UAER)を測定した。追跡期間は全30週間。なお試験開始時のUAER(中央値)は160mg群112μg/分、320mg群99μg/分、640mg群96μg/分だった。3群とも収縮期血圧は約150mmHg、拡張期血圧は約88mmHgとほぼ同じだった。

 試験開始4週後、UAERは3群とも試験開始時よりも有意に同程度の低下率を示した。しかし、16および30週後になると試験開始時と比べて、160mg群よりも、320mg群や640mg群での低下率の方が有意に増大した(UAERの低下率の中央値で評価)。尿中アルブミン尿の正常化率は、160mg群12%、320mg群19%、640mg群24%であり、640mg群では160mg群の2倍だった。平均座位収縮期血圧の試験開始時からの変化率(中央値)でみても、640mg群が一番降圧効果が大きかった。640mg群では、頭痛やめまいなどが若干増加したが、高カリウム血症などを含めた副作用が増加することはなかった。

 以上の結果からHollenberg氏は、「バルサルタン160mgに比べて、さらに高用量の方が、2型糖尿病合併高血圧患者における腎保護効果に優れている」と総括した。