米国シカゴで11月12日、米国心臓協会(AHA:American Heart Association)の年次学術集会「Scientific Sessions 2006」が開幕した。最低気温2度と冷え込む中、ミシガン湖のほとりに建つマコーミックプレース・コンベンションセンターで、15日までの4日間、学術集会と併設展示会が開催される。米国心臓病学会(ACC)や米国臨床腫瘍学会(ASCO)と並ぶ大規模な学会で、例年、2万人を超える参加者が訪れる。13日現在の参加者は2万5682人、うち医師数は1万8162人にのぼっている。

 今期大会の一般口演、ポスター演題は昨年同様4000題を超える。日本人発表者がとりわけ多いのも特徴のひとつで、会場で日本語が聞こえない場所は少ないほどだ。

 華々しい学術発表が一段落したためか、会長講演は、米国のヘルスケアの制度危機を訴える内容になった。米国の医療費はGDP比で15%強と日本の2倍近いが、講演の中で会長のRaymond Gibbons氏は、「米国の医療費の使い方は非効率」と言い切った。

 大会2日目の13日からは、最新臨床試験報告「Late Breaking Clinical Trials」が始まった。15日まで毎日、計3セッションが予定されている。13日午前のLBCT第1セッションで先頭を切ったのは、高齢者の服薬コンプライアンスと、血圧やコレステロール値の関連を調べた介入試験「FAME:Federal Study of Adherence to Medication in the Elderly」の成果報告。6カ月の試験期間中、介入群のコンプライアンスは当初の61%から最終的には実に97%に上がり、血圧やLDL-C値の有意な低下が見られた、という。15日までに計12題の発表が予定されている。

 このほか、AHAがここ2、3年力を入れてきた女性の心臓病ケアの重要性を訴えるキャンペーン「Go Red」や、ガイドラインに準拠した治療導入を病院に対して訴える「Get With The Guideline」などキャンペーンにも力を入れている。

 AHAは今年から新しい方針として、年次学術集会の開催を、禁煙宣言都市に限る方針を打ち出した。2万人以上の心臓専門医とその家族が数日間を過ごすだけに、開催の経済効果は絶大。特大のアメを用意して、都市の禁煙化を後押しする構えだ。