東海大学総合内科の高木敦司氏

 3剤併用療法によるH.Pylori除菌率は70-90%とされるが、投与する抗菌薬に対する耐性菌が存在すると除菌率は低下する。しかし、除菌に先立ってヨーグルトを食べさせることで、クラリスロマイシン(CAM)耐性菌に対する除菌率が有意に改善することが分かった。東海大学総合内科の高木敦司氏らの研究成果で、5月30日から6月4日まで米シカゴで開催された米国消化器学会(第40回米国消化器病週間DDW2009)で発表された。

 高木氏らは、H.Pylori除菌を実施する患者を無作為化し、3剤併用療法群(ラベプラゾール10mg×2/日、アモキシシリン750mg×2/日、クラリスロマイシン200mg/日を1週間投与)と、3剤併用(同一レジメン)+ヨーグルト(Lactobacillus Gasseri OLL2716を含む:明治乳業LG-21)に割り付けた。ヨーグルトは除菌前の3週間と除菌中の1週間、120gを1日2回食べてもらった。

 その結果、全体の除菌成功率は、3剤併用のみの群が72.4%、ヨーグルト付加群が84.7%(ITT:intention to treat)で、ヨーグルト付加群が高い傾向だったが、有意差は得られなかった。

 CAM感受性菌が検出された患者(n=39:3剤併用のみ群、n=44:ヨーグルト付加群)については、両群とも約90%と高い除菌率で、両群に有意な差はなかった。

 これに対して、CAM耐性菌が検出された患者では、症例数は少ないものの、3剤併用のみ群では、除菌成功率がわずか15.4%だったのに対し、ヨーグルト付加群では54.5%で、ヨーグルト付加群では除菌成功率が有意に高かった(p=0.043)。

 この結果について高木氏は、「まず、ヨーグルト単独でも除菌できるかどうかを試みたところ、菌は減るが除菌には至らなかった。試行錯誤の末、先にヨーグルトを食べてから除菌すると、(本研究のとおり)効果が得られた。乳酸菌によって菌が弱ることで、耐性菌であっても抗菌薬が効果を発揮した可能性がある」と考察した。

 さらに同氏は、「H.Pylori除菌では、初回治療の失敗率が約3割ある。ヨーグルトによる耐性菌の除菌成功率の改善は、少なくとも2次治療を実施する人を減らす効果がありそうだ」と述べていた。